研究分担者 |
平田 仁 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80173243)
建部 将広 名古屋大学, 医学部付属病院, 助教 (60420379)
篠原 孝明 名古屋大学, 医学部付属病院, 医員 (00378209)
山本 美知郎 名古屋大学, 医学部付属病院, 医員 (90528829)
金 泳佑 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教 (70387851)
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研究概要 |
本研究では,運動系と感覚系の双方の神経系へのアクセスを通して,義手,義足の操作性,制御性を人の手,足の機能レベルに引き上げることを目的とする.この目的のために(1)運動系神経情報の抽出、(2)感覚系信号の脳へのフィードバック、(3)義手,義足との統合による再建機能評価、の3つの研究を実施した。 運動神経系の情報抽出のために、ES細胞から分化させたマウスの運動神経を移植して、信号伝達を観測した。運動系情報を神経系から抽出することができることを明らかにしたが、神経系とのインターフェース部の状態に大きく依存する結果となった。 電気刺激を用いた感覚信号の脳へのフィードバックにおいて、その伝達情報量を4ビットから8ビットへレベルアップする研究を実施し、そのレベルアップが可能であることを見出した。また、感覚系情報の脳へのフィードバックが効果があり、それがリハビリテーションや運動支援に重要な技術であることを示した。この結果自体が様々な運動再建や運動支援に適用できることが明らかとなったので、ロボットによる上肢のリハビリテーション支援装置の設計とそのリハビリテーション運動計画に反映させることができた。さらに感覚情報の機械による取得法として触覚センサの開発を行い、それを義手に装着することを検討した。 義手、義足と神経インターフェースの統合については、患者としての実験協力者が得られなかったために実用化レベルでの検討を行うことはできなかったが、健常者に対し仮想的な運動障害を生じさせる技術を適用することによって、検証実験を行った。本研究で明らかにされた感覚神経情報伝達の強弱を反映させた状況をつくりだすことによって、リハビリテーションにおける効果的な運動支援を行うことができた。この研究結果は、義手、義足の設計への適用も可能であることを示している。
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