研究概要 |
本研究課題「アスリートの薬剤および遺伝子によるドーピングを検出する技術創成のための基盤研究」を遂行するため、平成21年度は以下のような研究活動を行った。 薬剤ドーピング関連:カーボンナノチューブバイオセンサーを用いたドーピング薬剤(無機化合物、ステロイド)検出デバイスの開発については、海外共同研究者である、Custer C.Deocaris博士(College of Human Kinetics, University of the Philippines)とJose H.Santos博士(Department of Chemistry, University of Brunei Darussalam)をお招きし、電気化学的測定の基礎講義をしていただき、新たに購入した実験装置を利用して実験実習を行った。なお、カーボンナノチューブを使う前段階として、平成21年度はカーボンペーストを代わりに使用した。 遺伝子ドーピング関連:ヒトに適用可能なあらゆる遺伝子導入法(ウィルスやプラスミドなど、それに使われるベクター)について、遺伝子治療の方法を参考にして検討を行った。プラスミド(米国Clontech社のpiGENETMhU6 Puro)による導入が簡便であることがわかったものの、アデノ関連ウィルスなどを用いた方法も遺伝子治療の応用で利用可能と考えられた。 さらに、骨格筋の肥大に関わるマウスのマイクロアレイ解析を進め、レジスタンス運動によって筋の肥大が引き起こされる分子メカニズムについて経時的な変化を追えるデータベースを構築した。
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