研究課題
本研究目的を果たすため、今年度の目標とした次の4項目を中心に研究を行い、実績を上げた。(1)【編組製品素材可能植物および編組製品民俗資料の蒐集】 5月に千葉県清澄山、6月に愛媛県と高知県、9月に山形県で素材可能植物の集中的な蒐集を行ったほか、各地を訪れる様々な機会を活かして蒐集に努め、約30種、70サンプルを新たに加えた。また、福島県、秋田県など各地域の編組製品の民芸品資料・編組製品の素材・繊維等も蒐集した。(2)【素材可能植物の形態及び組織構造画像データベースの作成】 蒐集した素材可能植物および編組・繊維製品等の素材(カラムシ、麻などの繊維)の組織切片を作成し、組織構造の顕微鏡写真の画像と資料採集時に撮影した外部形態画像とで画像データベースの基礎資料を約60種、150試料について作成した。(3)【遺跡出土編組製品素材植物同定作業の続行】 北海道の忍路土場遺跡など4遺跡、青森県是川遺跡、土井1号遺跡など4遺跡、福井県鳥浜貝塚遺跡、東京都下宅部遺跡、佐賀県東名遺跡、奈良県唐古・鍵遺跡、纒向遺跡などから出土した編組製品等の試料採取を行い、その素材植物同定を行うための組織切片を作成し、結果の一部については学会誌や学会大会等で発表した。(4)【青森県三内丸山遺跡の籠編物「いわゆる縄文ポシェット」の復元】 青森県教育委員会三内丸山遺跡活用推進室と共同で、バスケタリ-作家の協力を得てヒバ樹皮素材を使って「縄文ポシェット」の復元製作を行った。成果品については報道発表を行っている。以上の成果を中心に,本科学研究費補助研究のまとめとして2012年10月13-14日に佐賀県立美術館においてシンポジウム「縄文時代の編組製品研究の到達点--地域性と素材に注目して--」を行い、その資料集を刊行した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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季刊地理学
巻: Vol.64 ページ: 155-172
Climate of the Past
巻: 9 ページ: 261-266
植生史研究
巻: Vol.21 ページ: 29-40
巻: Vol.21 ページ: 67-71
巻: 21 ページ: 1-2