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2009 年度 実績報告書

日本産樹木年輪による炭素14年代の高精度較正曲線の作成

研究課題

研究課題/領域番号 21240072
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

坂本 稔  国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (60270401)

研究分担者 光谷 拓実  総合地球環境学研究所, 研究部, 客員教授 (90099961)
キーワード炭素14年代 / 年輪年代 / 較正年代 / AMS / 弥生時代 / 古墳時代
研究概要

本研究は,高い精度が求められる日本歴史学・考古学の年代研究において必要不可欠な,炭素14年代の較正曲線を日本産樹木に基づいて整備することを目的とする。
炭素14年代法による未知試料の暦年代の獲得には,年輪年代法で年代の判明した樹木年輪の炭素14年代などと比較する「較正」という操作が必要になる。年代較正には一般的に,欧米産樹木年輪のデータを集成した較正曲線「IntCal」が用いられている。ところが日本産樹木年輪の炭素14年代の測定で,弥生から古墳にかけての時期についてIntCalと系統的にずれている可能性が明らかになってきた。この時期の較正年代の不自然さについては,考古学の立場からの指摘も多かった。日本歴史学・考古学において古墳の開始期は極めて大きな関心事であり,日本産樹木年輪による当該期の較正曲線の整備が早急に求められる。
天理市の柳本大塚古墳の木棺の一部とされる桜井市の大神教本院の額から柱状試料を採取(6月12日)し,奈良県立橿原考古学研究所のもとで桜井茶臼山古墳出土の木棺から柱状試料を採取(12月22日)した。前者は240層前後,後者は最大270層前後の年輪層を確認できたが,いずれも年輪年代法による年代決定には至らなかった。柳本大塚古墳木棺の試料は,もっとも内側の年輪5層が2100±20 14C BPという炭素14年代を示した。IntCalによる較正年代は紀元前2世紀末に相当する。
今年度入手した試料はいずれも弥生から古墳への移行期をカバーすることが期待されたが,年輪年代を決定することはできなかった。それでも,炭素14年代が示すであろう変動パターンとIntCalとを比較することで,当該期の較正曲線を作成するのに有用なデータとなることが期待できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Design and Performance Tests of an Efficient Sample Preparation System for AMS-^<14>C Dating2010

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto M.
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 268

      ページ: 935-939

    • 査読あり
  • [学会発表] 大分県大道遺跡から出土した臼の炭素14年代測定-年輪に基づく検討-2009

    • 著者名/発表者名
      坂本稔
    • 学会等名
      日本文化財科学会第26回大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20090711-12

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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