研究概要 |
本科研は、地理情報科学のカリキュラムに基づいた教育を、高等教育をはじめとする教育現場で展開することを大きな目的にしている。2年目である本年は、本研究の基本となる地理情報科学の標準カリキュラム案をさらに詳細にし、文書としてまとめた「地理情報科学の知識体系(BoK)」を2010年6月に完成させた。その後、2010年10月および2011年3月の二度にわたり改訂を行い、内容をさらに充実させた。これらは、プロジェクトのウェブサイトにおいて自由にダウンロードが可能になっている。 さらに、このBoKの幅広い活用を目指し、より内容を分かりやすく解説し、大学の講義等で誰でも使えるスライドを作成するプロジェクトを開始した。大部分が今年度中に完成し、来年度前半で、実際に大学の授業で使ってもらうなど相互評価を行い、来年度後半での公開を予定している。 本プロジェクトの周知とこれまでの進捗を広く伝えるため、2010年9月に横浜で行われたG空間EXPOにおいてパネルディスカッション、10月のGIS学会によって特別セッションを開催した。 同時に、各班で研究を進めている。GITについては,独自のツールの開発を行い,プログラムのプロトタイプを作成した.e-learningは,Wikiシステムの構築および韓国におけるGIS教育の動向調査、空間的思考と教育に関する研究や,初等中等教育における空間的思考を養うツールの開発と実証研究を行った.また,22年年9月に開催予定の国際会議「空間的思考と地理情報科学」(STGIS2011)開催の準備を行っている。発表論文の募集、査読が終わり、発表者が2011年3月に決定した。 そして2011年4月にアメリカ・シアトルで行われたアメリカ地理学会Annual Meetingにおいて、パネルディスカッション「International Research on Spatial Thinking:Implications for Education and Professional Development」を開催した。日本のみならず、アメリカ、シンガポール、オーストラリアの研究者と空間的思考と教育についての事例発表および意見交換を行った。
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