研究課題/領域番号 |
21240075
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅見 泰司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10192949)
|
キーワード | 地理 / カリキュラム / 教材 / 空間的思考能力 / e-learning |
研究概要 |
3年目である本年は、本研究の基本となる「地理情報科学の知識体系(BoK)」の幅広い活用を目指し、より内容を分かりやすく解説し、大学の講義等で誰でも使えるスライドを作成するプロジェクトを開始した。23年度前半で実際に大学の授業で使ってもらうなど相互評価を行った。そして、すでに完成し相互評価を経たスライドついては、24年3月より「地理情報科学教育用スライド」として一般公開を開始した。 また、空間的思考と地理情報科学に関する最新の研究成果や研究動向を国内外の人々と共有するため、23年4月にはアメリカ地理学会(AAG)において「International Research on Spatial Thinking: Implications for Education and Professional Development」と題したパネルディスカッションを実施した。23年9月、国際会議「空間的思考と地理情報科学」(STGIS2011)を東京大学駒場リサーチキャンパスにおいて開催した。これは空間的思考と地理情報科学に特化した国際会議としては、世界最初のものであり、さらに東日本大震災で地理情報科学分野が果たした役割などの特別発表や展示を行った。その結果、3日間で30か国、延べ700人の参加者があった。 本プロジェクトは、班ごとに研究を進めている。GITについては、独自のツールキットの開発を行い、プログラム「GeoPack」のプロトタイプが完成した。e-learningは、Wikiシステムの構築および韓国におけるGIS教育の動向調査を行った。空間的思考の体系化に関しては、空間的思考と空間的能力の研究を行い、学会発表等をおこなった。 またこれまで作成した教材の評価と今後の教材開発に向けて、24年9月にアメリカの研究者と国際情報交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトは、細かく班に分かれ活動を行っており、毎年1年間の進捗状況の確認と来年度のスケジュール案を確認している。それぞれの班長はそのスケジュールに沿って活動していることから、おおむね当初の計画通りに研究が進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
当初より予定している研究を推進するとともに、これまでの研究成果の普及、社会へ還元する活動を含めていく。BoK、スライドプロジェクトを経て、その内容を活用した高等教育向けの教科書へ発展させること、高校生を対象としたワークショップを行うなどで、空間的思考と地理情報科学の教育分野における重要性を社会にアピールしていく。また、海外の研究機関とも連携、意見交換しながら、日本国内だけでなく、世界に向けて本研究の重要性を伝えていく。
|