研究分担者 |
篠田 圭司 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40221296)
三田村 宗樹 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00183632)
奥平 敬元 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20295679)
西川 禎一 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (60183539)
隅田 祥光 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特任講師 (80413920)
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研究概要 |
1. 本計画で導入したICP-MSを用いて総ヒ素と希土類元素の同時分析法の最適条件を検討しルーチン化した。また,HPLCを接続して形態別定量分析を行う方法もルーチン化した。 2. 9月と12月にバングラデシュ・ショナルガオで現地調査を行った。両月とも,ヒ素の形態分析と年代測定のための地下水試料採取を採取した。また,9月には,地下水の涵養経路を知るためのトレーサー試験を計画し,12本の試験井戸を掘削した。井戸設置地点の中央部に食塩を散布した。井戸の地下水は,現地協力者によって毎月定期的に現地計測を行い,分析試料が採取されている。12月には,最もヒ素濃度の高い地下水出現地点において,40m深度のコア掘削を行った。この地点では,ヒ素汚染された完新世の帯水層と清浄な環境にある更新世の帯水層を分ける粘土層が欠如していることを確認した。 3. 持ち帰った試料は順次分析作業を進めている。5, 10, 15mと直近の井戸(30m)の深度でのヒ素の濃度と形態別分析の結果は,10m前後でヒ素の溶出が盛んであること,また,亜ヒ酸/ヒ酸の割合は,深度が増すにつれて高くなるが,酸化還元電位とはそれほどよい関係は見られない。また,年代測定により,1980年以降に涵養された地下水中のヒ素濃度が高いことを突き止めた。同一帯水層でも,それより古い地下水には汚染がないことを確認した。 4. 堆積物から有機物態ヒ素を分解せずに抽出する方法を検討した。また,その方法を用いて,HPLC/ICP-MSを用いた形態別定量分析を進めつつある。 5. 結果はGoldschmidt Conferenceや日本地球化学会などで発表した。また,現在論文を作成中である。
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