研究課題/領域番号 |
21241005
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中屋 晴恵(益田晴恵) 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70183944)
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研究分担者 |
三田村 宗樹 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00183632)
奥平 敬元 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20295679)
篠田 圭司 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40221296)
西川 禎一 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60183539)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ヒ素汚染地下水 / 南アジア / バングラデシュ / パキスタン / 緑泥石 / 化学的風化作用 / 針鉄鉱 / 涵養年代 |
研究概要 |
最終年度にあたるため、分析し残した試料の分析とデータの解析、論文作成を中心に作業を進めた。また、河川水中を移動する砕屑物中のヒ素の化学形態を検討するために、ガンジス川・ブラマプトラ川・メグナ川・紅河などの下流にヒ素汚染地下水の発生する大河の河床堆積物も分析した。 先行研究で、ヒ素は緑泥石に固定されていること、また、この地域のヒ素汚染地下水は酸水酸化鉄に飽和していることが指摘されていた。土壌・堆積物から有害化学成分が水圏環境へ溶出するリスク評価のために開発された段階的化学的抽出法によるヒ素汚染地下水帯水層堆積物の分析を行った結果、酸化剤によって溶出するヒ素が還元により溶出する成分より多くあった。酸化剤による処理では同時に緑泥石の主成分も溶出していることから、緑泥石の酸化・分解がヒ素の溶出の原因であることは明らかであった。本研究の結果から、バングラデシュの調査地域においては、完新世帯水層の最上部で、好気的な地表水が浸透することにより、緑泥石が酸化され分解してヒ素汚染地下水が形成されることを検証できた。さらに、河床堆積物中のヒ素の濃度分析と化学形態分析の結果から、全ての河川で難溶態である砕屑性鉱物にほぼ全てのヒ素が固定されていることを明らかにした。すなわち、ヒ素は源流域から砕屑性鉱物のまま下流に運搬され堆積して、帯水層を形成する砂層を構成している。 上述の結果は、既に終了しているパキスタンの調査や現在も進めているベトナムの河川調査などの結果とあわせると、本研究の結果は、アジア諸国のヒ素汚染地下水の形成の最初期段階として、一般化できるものである。 本研究に関して論文として未公表の結果は、現在1報が投稿(査読修正中)され、1報が論文作成の最終段階にある。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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