研究課題/領域番号 |
21241012
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
千葉 早苗 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (40360755)
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研究分担者 |
杉崎 宏哉 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所, 研究室長 (50371795)
小埜 恒夫 独立行政法人水産総合研究センター, 北海道区水研究所, 研究室長 (40371786)
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キーワード | CPR(Continuous Plankton Recorder) / 北太平洋 / 動物プランクトン / 広域モニタリング / 長期変動 / 生態系変動 |
研究概要 |
北太平洋連続プランクトン採集器(CPR)観測プロジェクトに基づき、西部北太平洋亜寒帯域(145-170゜E,45-60゜N)で採集された2000-2009年の植物・動物プランクトンサンプルを分析、経年変動解析した結果、10年間で夏季(5~7月)の珪藻およびカイアシ類ノープリウス幼生の現存量が減少していることが解った。また、主要動物プランクトン種であるNeocalanus plumchrusおよび、Eucalanus bungiiの成長タイミングが早まっており、植物・動物ともに特に2003~2004年の変化が顕著であった。 また、親潮域の既存栄養塩データを収集し、1968年以降の40年間における冬季・夏季の混合層栄養塩濃度の経年変動を解析した結果、1998年から2003年にかけてのレジームでは夏季の栄養塩残存量が少なかったことから、この時期春季の生物生産が早くから行われる一方、夏季の栄養塩は早期に枯渇して動物プランクトン餌料環境が悪化していた事が示唆された。一方2004年以降は夏期の栄養塩濃度が顕著に増加している事が解り、上記珪藻やノウプリウス幼生の現存量や、Neocalanus等の生産タイミングの経年変化となんらかの関わりがあることが示唆された。 さらに衛星海色データの解析からは、同海域における10年間の植物プランクトンブルームのタイミングが、太平洋十年規模変動と関連した水温の経年変動と有意な関係があることが解った。来年度は、太平洋十年規模変動、栄養塩環境、プランクトン群集構造・生物季節的変化の関係について、詳細に解析する予定である。
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