研究課題/領域番号 |
21241021
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
岡田 光正 放送大学, 教養学部, 教授 (70124336)
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研究分担者 |
西嶋 渉 広島大学, 環境安全センター, 教授 (20243602)
中井 智司 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80313295)
奥田 哲士 広島大学, 環境安全センター, 助教 (60343290)
土田 孝 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10344318)
土井 康明 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10134454)
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キーワード | 環境材料 / 循環再生加工 / 生態環境 / リサイクル技術 |
研究概要 |
藻場・干潟における鉄鋼スラグ、石炭灰造粒物などの代替材料の溶出・流出現象を予測し、それらの環境影響評価を実施するために求めた個々の再生材料の溶出能と速度から数値シミュレーションモデルを構築、再生材料の投入に伴うpH、Ca濃度、Mg析出等の非定常計算から各緒量の時間空間的な変化プロセスを検証できた. また、実際の施工方法の開発として地盤内圧入方式による人工干潟造成技術を実験的に検討した結果、1/25スケールの模型土層実験では、圧入管の先端付近を水平に撹乱し、圧入パイプの地表面周辺に一定の重量を持つ隆起抑制板を設置することで1箇所の圧入孔から約200m^2の浚渫土の圧入が可能になることがわかった。 生物への影響としては、一つは海底に埋設した代替材表面の細菌叢を調べ、予め形成された付着微生物への影響を微生物のタンパク質量を測定することで求めたところ、通常の藻場海底面を模した中程度の海水接触速度では石炭灰造粒物を除きいずれもコントロールよりも高く、特に脱炭では実験開始28日目では2.8-4.5倍の付着微生物量となった。高速では再生材料間で明確な違いは確認されなかった。もう一つはアサリ稚貝の成長について検討したが、生残した個体の成長は海砂と同レベルであり、20mm程度まで成長した稚貝は生残、成長とも海砂と大差なかった。しかしpH上昇の影響か、着底後の稚貝の生残数は脱リンスラグで海砂の50~13%、フェロマンガンスラグで24~5%であった。さらにアマモへの影響を検討した結果、代替材では脱炭、脱リンスラグの場合で、アマモは天然土壌以上の活着を確認できた。またアマモに影響するような急激なpHの変化、基準以上の土中間隙水中重金属濃度は検出されず、根腐れ等は起こらなかった。発芽試験においては、各スラグで発芽が見られ自律的な再生も可能であることが示された。
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