研究課題/領域番号 |
21241022
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
野村 俊之 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (00285305)
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研究分担者 |
杉岡 健一 東北大学, 工学研究科, 助教 (80438233)
徳本 勇人 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (70405348)
木下 卓也 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (90453141)
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キーワード | バイオフィルム / 相互作用 / 付着力 / 帯電性 / 疎水性 / 磁性粒子 |
研究概要 |
流れ場におけるバイオフィルムの形成過程を本質的に理解し、その形成過程を自在に制御し、バイオフィルムが原因となる微生物劣化や微生物汚染の防止技術を開発することは、極めて重要な課題である。平成21年度の研究では、主に以下の結論を得た。1.平行平板流れ場において鞭毛を持たない大腸菌と帯電性の異なるガラス表面問に働く付着力の定量的評価を試みた。負帯電ガラスでは、ファンデルワールス力が支配的となり、イオン強度によらず付着力はほぼ一定であった。一方、正帯電ガラスでは、イオン強度が増加すると静電引力が減少することで付着力は減少した。菌体の付着力分布は、菌体の粒径分布と比べて明らかに広いことも分かった。また、未洗浄菌体は、洗浄菌体と比べて脱離し易く、付着力が小さいことが明らかとなった。2.時間的に変動する流動場(脈動流)に置かれた粒子に働く流体力を明らかにするため,単一粒子周りの流れ場および粒子に働く流体力を直接数値計算法により明らかにした。その結果、粒子レイノルズ数が100以下ならば、粒子の運動方向への非常に大きな振幅・高周波変動であっても、従来の微小振幅・低周波変動での予測式が拡張適用できることが分かった。一方、粒子レイノルズ数が300以上ならば粒子の後に現れる非定常なはく離渦が周囲流の変動の大きさ・周波数により変化し、従来法では十分な予測ができないことが分かった。3.酵素固定化担体となる磁性粒子には、安価で比較的高い磁化をもつマグネタイト粒子を用いるが、表面が露出していると溶媒のpHや塩濃度によっては腐食や粒子間凝集が問題となるため、高分子被覆粒子の合成を試みた。その結果、高分子PEGで表面を被覆された粒径100-200nmの磁性粒子の合成に成功した。
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