研究課題
超臨界水反応場中で有機物などの修飾分子を導入するin-situ表面修飾法を用いて、表出する結晶面やサイズをコントロールした酸化物磁気ナノ結晶を合成し、これまで良く調べられていない磁気ナノ結晶の形状効果(1粒子の特性)やサイズ・形状・粒子間距離を制御した多粒子系の"協力現象"などの特性を明らかにすることを目的としている。今年度(初年度)は、下記の3つの課題に取り組んだ。(1)有機-無機ハイブリッドナノ結晶のサイズおよび形状制御法の精緻化において、鎖状有機修飾子の長さ・官能基により、無機結晶のサイズおよび表出表面が系統的に変化することを見出し、そのメカニズムを明らかにした。(2)酸化物ナノ結晶の構造および1粒子物性評価においては、触媒や光学材料に用いられるジルコニアやコバルトブルーのナノ結晶化とその機能(特に、結晶構造・形態および磁気および光学特性)評価に取り組み、超臨界水中でのナノ結晶の成長過程の特異性を反映して、焼結や溶融という通常の作製法で合成されたバルク材料とは大きく異なることを明らかにした。(3)高圧力下の精密磁化測定装置の開発設計では、アムステルダム大学のde Visser博士(連携研究者)と共同で極低温・高圧・強磁場中のAC磁化測定装置を開発し0.001ボーア磁子以下の微弱な信号でも測定可能であることを立証した。同時に、22年度に導入予定の極低温・高圧・強磁場中の高感度静磁化測定装置の設計および試作に取り組み、多粒子系の"協力現象"を評価する上で必要な極低温および強磁場を達成することができた。
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