研究課題/領域番号 |
21241025
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柴山 環樹 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10241564)
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研究分担者 |
渡辺 精一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60241353)
谷津 茂男 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40111158)
伊藤 芳浩 弓削商船高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (00435471)
富岡 智 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (40237110)
西山 修輔 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30333628)
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キーワード | ナノ材料 / 電子顕微鏡 / 表面・界面物性 / 量子ビーム / その場観察法 / 高速カメラ / 量子ナノ構造 / 高時間分解能 |
研究概要 |
本研究は、これまで透過電子顕微鏡で唯一の課題となっていた画像記録の高速化と長時間化についてピコ秒の現象であるレーザー核融合のターゲット計測に実績がある各種高速カメラを組み合わせたナノ時空間ダイナミクスその場観察システムの技術開発を行うことを目的として平成21年度から平成23年度まで3カ年計画で実施した。この新しく開発した装置を現有の透過電子顕微鏡に取り付けて、電子線やイオン照射下での接合界面における破壊の起点やマルチクラックの進展経路をこれまでは困難だったナノ時空間で記録しその場観察すると共に高速で発生し進展するマルチクラックとナノサイズ欠陥との相互作用を明らかにした。平成23年度は、円孔レンズアイを使用しストリーク管内で掃引後、後段のCCDで得られた像を再構築することを考案した。200keVの透過電子顕微鏡のカメラ室下部に本研究で考案した高速カメラを取り付けるためのフランジ設計を先ず行った。フランジの製作と真空度の評価を行い、十分な性能を有していることを確認後、本研究で考案し設計・製作した高速カメラを取り付けて動作確認を行った。高品位非晶質カーボン膜にInを蒸着しナノ結晶のビームヒーティングによる形態変化等について高速観察を行った。その結果、これまで未解明だった非晶質の結晶化過程において形成するクラスターの時間変化等のナノダイナミクスについて基礎的知見が得られたが、画質は通常の露光時間でのCCDや銀塩フィルムに対して劣ることから、今後改良の余地があると思われる。現状、電子回折図形の最大時間分解能は、521nsであるこ、現状の1次蛍光体の性能から6msがDTEM(Dynamic Transmission Electron Microscope)像記録の限界であることが分かった。今後、システムチューニングを行い照射欠陥のDTEMその場観察へ発展させる計画である。
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