研究課題/領域番号 |
21241032
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川合 知二 大阪大学, 産業科学研究所, 特任成就(常勤) (20092546)
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研究分担者 |
谷口 正輝 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40362628)
田中 裕行 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20314429)
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キーワード | 1分子科学 / 単一バイオ分子 / ナノチャネル構造 |
研究概要 |
プロセスインテグレーションで開発した人工認識サイトとナノ電極・ナノチャネル構造を融合したナノ構造体を形成し、そのナノ構造体を用いて、人工生体膜の電気化学計測による分子認識の実証、および認識サイトの電流-電圧特性変化による分子認識の実証を行い、モルグラフィーにおける単一分子認識機能の実現や、自己組織化ナノワイヤーとナノ電極・ナノチャネル構造を融合させた。このプロセスインテグレーションにより形成される分子認識機能ナノチャネル構造体を用いて、モルグラフィーを行った。単一生体分子の種類・形態から単一生体分子の認識、DNAの種類・形態・電子状態に基づくシーケンシング、原子間力顕微鏡を組み合わせた分子認識力のフォース測定を行った。上記の計測から得られる情報と、電気伝導シュミレーション・電界シュミレーション・流体シュミレーションの結果を比較・検討し、得られる電流値の起源と物性量を明らかにし、モルグラフィーの学理・技術を確立した。密度汎関数法に基づく一般化密度勾配近似にファン・デル・ワールス(vdW)相互作用補正を加えた第一原理電子状態計算によって特徴的な電子状態を、特にそのエネルギーレベルの精度を良く再現することに成功したが、さらに、それで得られた最適化構造から、vdw相互作用補正なしに、再度、最適化を行い、結果を比較解析することに成功した。DNA塩基分子のうち、プリン塩基(6員環と5員環をからなる)のアデニンとグアニンでは、vdw相互作用補正のあるなしに限らず、平面的な吸着構造をもつ最適化構造が得られた。一方、ピリミジン塩基(6員環のみからなる)のチミンとシトシンでは、酸素原子の部分で基板にアンカーされるように、やや、斜めになった最適化構造が得られた。
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