研究課題
ナノシリコンによる弾道電子エミッタ作製技術の確立を図りつつ、液体、気体、固体中の動作特性を多面的に測定した。各動作媒質において生じる特有の電子注入効果を見いだすとともに応用の基礎険討を行った。得られた主な成果を以下に示す。1.ナノシリコン層の構造・界面制御による弾道電子放出効率向上シリコンナノドット間を電子が弾道走行するために不可欠な一連の低温酸化・アニール・洗浄乾燥技術を開発し、トンネル伝導と電子放出を高効率化する方法を固めた。またこれに伴って電子放出の安定性が大幅に向上することを、電気的・光学的特性と関連させて明らかにした。2.液体中動作特性の基礎解析ナノシリコン弾道電子エミッタを種々の水溶液で動作させ、熱平衡よりはるかに高いエネルギーをもった弾道電子の注入がすべての水溶液に対して強い還元効果をもたらし、水素気体発生、pH値・溶存水素量の増大が共通して生じることを確認し、その機構モデルを提示した。3.液体中動作により生じる効果の研究前項の結果を発展させて動作溶液を金属塩水溶液に拡大し、対向電極を用いない電子源の単独動作によって電子放出面上に金属薄膜が均一に堆積する現象を見いだした。従来のメッキとは異なる新規の薄膜堆積技術として、広い範囲の材料に適用できる可能性がある。4.気体中動作と特性の解析高圧Xeガス中で電子源を動作しXe分子の直接励起によって真空紫外光を効率的に発生させるための要素技術と方策を明らかにし、平面照明などへの応用可能性を示した。5.固体中動作と素子化の基礎検討シリコンナノドットがトンネル酸化膜で連結した量子構造における電子輸送過程を理論的に解析し、弾道電子が生成する多重トンネルモデルを裏付けることができた。
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