研究課題/領域番号 |
21241045
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤吉 康志 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)
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研究分担者 |
三寺 史夫 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (20360943)
川島 正行 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (10281833)
山口 一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (20166622)
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キーワード | ドップラー速度 / オホーツク海 / 海氷 / 突風 / 渦 / データ同化 / 流氷予測 |
研究概要 |
オホーツク海沿岸の紋別と雄武に設置した2台のドップラーレーダを用いて、冬季オホーツク海上に発生する流氷と降雪雲のリアルタイムモニタリングシステムを構築した。この観測から、冬季に陸側から海側に風が吹いた時、オホーツク海沿岸に40m/s近い強風域(ダシ風)が複数存在することを見出した。従って、本システムは、陸・海・空の交通路の安全に対して、極めて重要なリアルタイムの情報を提供可能であることを実証した。また、海上で突風事故をもたらす雪雲中の小さい渦状エコーパターンが、5日に1回は発生していることも分かった。このような渦を短時間に検出して、発生と移動方向を予測するために、ランキン渦を仮定することで単一のドップラーレーダ観測により渦を検出する手法を適用し、2台のドップラーレーダを用いたデュアル観測と比較することでその検出精度を検証した。さらに、モニタリングから一歩進んで、これまで前例の無いドップラーレーダ情報を同化した、海氷の短時間予報モデルを開発するための基礎研究を実施した。すなわち、面相関法で求めた海氷の移動ベクトルから海氷域のドップラー速度の水平分布を計算し、これとレーダで実測したドップラー速度と比較し、再度計算するという逐次法を導入することで、より精度高い海氷の移動ベクトルの作成が可能となった。同時に、ドップラーレーダデータと毎時大気解析GPVを3次元変分法で同化するプログラムを試作した。このプログラムで作成した初期値を用いて、WRFによる最大72時間先までの気象場の予測計算を実施した。予測した海上風データを用いて、流氷モデルを走らせ、10時間程度先までの流氷域の予測を試行した。
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