研究課題
脊髄神経、血管、筋肉などの組織は分節性をもって発生し、体節構造を生み出す過程の異常が脊椎骨の奇形や神経異常など多くの病気の原因となることが知られている。体節形成に重要な制御因子で、アフリカツメガエルの体節形成時期で発現しているbowline, Ledgerline, xRipply3の3遺伝子について発現部位や役割の解析を行った。その結果、これらの因子はそれぞれ特異的な発現を示すが、いずれもコリプレッサーGroucho-HDAC複合体と結合しTbx6などのT-boxタンパク質の抑制因子として機能することが示唆された。また、アフリカツメガエルの発生過程で血管特異的に発現する遺伝子のひとつであるXRASGRP2について、その血管形成における役割を解析した。XRASGRP2を過剰発現すると異所的な血管新生が確認され、一方、XRASGRP2をノックダウンすると血管新生が遅延することが確認された。VEGFとの関係についても検証した結果、XRASGRP2は、その上流因子であるVEGFの血管内皮細胞の分化を仲介する必須因子であることを明らかにした。一方、膵臓の発生過程で特に膵臓前駆細胞の分化に重要な役削を果すことがわかっている転写因子Pdx1をマウス脂肪組織由来幹細胞に遺伝子導入したところ、in vitroではこの幹細胞はインスリン産生能を示さなかったが、ストレプトゾトシンを投与した糖尿病モデルマウスにPdx1を発現させた脂肪組織由来幹細胞を血中投与したところ、膵臓へ生着し、インスリン分泌細胞へと分化することが示された。さらに、この糖尿病モデルマウスでは、コントロール群と比較して有意に血糖値が改善され、この状態が4ヶ月以上続くことが観察された。すなわり、Pdx1を脂肪組織由来幹細胞で発現させて血中投与するだけで、糖尿病モデルマウスにおいて長期的な治療効果が得られることを実証することができた。
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