研究課題
ガンビエル酸Aの合成研究:ガンビエル酸Aの世界初の全合成を達成した。まず、GHIJ環部フラグメントのグラムスケールでの改良合成法、温和な条件下でのE環への立体選択的アリル基導入法を確立した。A/BCD環部フラグメントと(F)GHIJ環部フラグメントを鈴木-宮浦カップリング反応により連結し、続く3段階でC25位の立体化学を制御した後、7員環エーテルの酸化的開裂を含む7段階でE環をラクトンとして構築した。さらに、立体選択的なアリル化により得られるジエンに対して閉環メタセシス反応を行ってF環を構築し、全ポリエーテル骨格の合成を完了した。さらに、塩化セリウムを用いるJulia-Kocienski反応により3置換オレフィンを含むJ環側鎖を導入し、脱保護、C1位ヒドロキシ基の選択的酸化を行いガンビエル酸Aの全合成を達成した。ポリカバノシドAの合成研究:これまで問題であったマクロラクトン化について検討し、改良Keck法により望みのマクロリドがほぼ定量的に得られることを見出した。その後4段階で既知の重要中間体へと誘導した。2糖L-フコシル-D-キシロース部を、armed-disarmed法の適用により従来法よりも短段階かつ高立体選択的に合成し、Nicolaou法によるグリコシル化、さらにトリエン側鎖の導入を行って、ポリカバノシドAの全合成を達成した。ゴニオドミンAの合成研究:C12-C26フラグメントの量的供給を可能とする改良合成ルートを開発した。タンデム型Sharpless不斉エポキシ化/5-exo環化を鍵工程としてE環を構築し、別途調製したホスホニウム塩とのWittig反応と還元的エーテル化によりD環を高収率かつ高ジアステレオ選択的に構築した。その後、10段階でC12-C25ビニルスズへと誘導した。その後、野崎-檜山-岸反応によるフラグメント連結を鍵工程として合成したC26-C36チオエステルとのStille型クロスカップリング反応によりエノンとした後、さらに7毅階でC12-C36フラグメントの効率的合成ルートを確立した。
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