研究課題/領域番号 |
21241053
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
関根 光雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (40111679)
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研究分担者 |
大窪 章寛 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (60376960)
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キーワード | RNA合成 / 固相合成法 / 2'水酸某の保護基 / RNA医薬 / Michael反応 / シアノエチル基 / アミダイトユニット / 塩基部無保護 |
研究概要 |
本研究では、高効率合成を可能とする世界最小の2'水酸基の保護基を用いるRNAの新規化学合成法の開発を行う。この際、RNAを医薬品あるいは遺伝子診断ツールとして活用する際の最大の問題点である酵素学的不安定性を克服した新規RNA誘導体も同じRNA合成モノマーユニットから創出できる画期的な新規RNA合成法の開発を行うものである。本年度では、シアノエチル基を2'-水酸基の保護基として用いるRNA合成法の確立のため、GとAの合成ユニットについて詳細に検討した。その結果、両者のモノマーユニットであるアミダイト誘導体の短工程合成法に成功した。Gのユニットは、塩基部位を2-アミノアデニンに置き換えることによって、塩基部位が無保護でも2'水酸基に高収率で導入することができた。塩基部上の6アミノ基はデアミナーゼによってG塩基に簡単に変換することができることがわかった。Aに関しても、塩基部無保護で直接2'水酸基にMichael反応によって高収率で導入が可能であることも明らかにした。このモノマーから固相合成法によって、2'水酸基がシアノエチル化されたオリゴヌクレオチドを収率よく合成することができた。このシアノエチル基はBu_4NFで簡単に除去することができるため、実質上は新しいRNAの合成法を確立することができた。つぎに、2'水酸基に2-(N-メチルカルバモイル)エチル(MCE)基を導入した酵素耐性能をもつ新規RNAの合成法を検討した。その結果、塩基部位を無保護で、アデニンや2-アミノアデニンへのアクリル酸アルキルとメチルアミンを連続的に反応させることによって、2'水酸基にMCE基を高収率で導入することができた。この反応を用いて、4種類の合成モノマーユニットの合成法を確立し、さらに、このMCE基で修飾されたRNA誘導体を数多く合成することができた。
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