| 研究課題/領域番号 |
21241055
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
仲岡 雅裕 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (90260520)
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| 研究分担者 |
四ツ倉 典滋 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (60312344)
宮下 和土 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (70301877)
堀 正和 北海道大学, 水産総合研究センター・瀬戸内海区水産研究所, 研究員 (50443370)
田中 法生 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究員 (10311143)
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| キーワード | 沿岸生態系 / 広域分散過程 / 種間相互作用 / 地球温暖化 / 長期モニタリング / 集団遺伝析 / 統合的生態系管理 / リモートセンシング・GIS |
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| 研究概要 |
本研究は、日本の温帯と冷温帯の沿岸生物群集を対象に、生産者と消費者の広域分散過程、および温度変化に伴う生産者と消費者の相互作用の変異を調べることにより、地球規模での環境変動に伴う沿岸生物群集の変化を理解し、沿岸資源生物および沿岸生態系の保全・管理に関する提言を行うことを目的とする。本年度は、アマモ場と海藻藻場、および岩礁潮間帯の生物群集を対象に、下記の成果を得た。
1:広域野外調査:上記の対象生物群集について、昨年度に引き続きの野外定量調査を各地で行った。生物量および生物多様性の時間変動パターンはさまざまな空間スケールで大きく変異した。特に北日本の沿岸域においては、2010年夏の高温に関連すると思われる生物群集構造の大きな変化が認められた。
2:過去の広域空間動態の把握:厚岸湖・東京湾・瀬戸内海のアマモ場、および太平洋沿岸の岩礁潮間帯の主要生物の長期変動の解析を継続した。特にフジツボ類については、密度依存的プロセスと密度非依存的プロセスの季節的変動が長期動態に影響していることが明らかになった。
3:メタ群集の決定プロセスの数理的解析:上記で得られた生物群集の広域長期データをメタ群集モデルを使って解析したところ、北日本における潮間帯生物のメタ群集構造の変異には、環境要因の異質性と分散距離の両方が関与するものの、その相対的重要性は生物群によって大きく異なることが判明した。
4:集団遺伝解析:アマモ類およびコンブ類を対象に、集団の空間構造を把握するための遺伝子マーカーを開発した。東京湾のアマモ類では、数十キロメートルスケールで集団の交流に制約があることが判明した。
5:生産者の高温ストレスに対する応答の評価:コンブ類のプロテオーム解析により、高温ストレスを検知できるマーカーを特定した。これにより、今後、地球温暖化による生産者に対するストレスの増加が生物群集の動態に与える影響を評価する新しいアプローチに結びつける指針ができた。
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