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2009 年度 実績報告書

アフリカ熱帯林における慣習的権利の確立と多民族共存に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21241057
研究機関京都大学

研究代表者

市川 光雄  京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (50115789)

研究分担者 木村 大治  京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (40242573)
丸山 淳子  京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (00444472)
キーワード熱帯雨林 / 非木材森林産物 / 慣習的利用 / 参画的地図化 / 持続的利用 / 森林法 / 狩猟採集民 / 焼畑農耕民
研究概要

本研究は、熱帯アフリカにおける森林利用の実態を明らかにするともに、持続的森林利用とそれをめぐる民族間の共存体制を確立するためのモデル構築を目指すものである。平成21年度は以下のような調査をおこなった。
1.森林法の比較検討
最近アフリカ各国で改訂された森林法に関する資料を集めて、それらの比較検討を行った。その結果、森林自体は国有地になっているものの、森林資源に対する地域住民の慣習的権利が徐々に認められる傾向にあることが判明した。しかし現在でも、慣習的権利の範囲や条件に問題がある例が多く、カメルーンなど比較的初期に改訂が行われた国はもとより、コンゴ民主共和国等、最近になって改訂が行われた国でも、実際の権利の確立方法についての法整備が遅れている状態であり、現行の森林法には問題が多いことが明らかになった。
2.森林資源の文化的、経済的価値
カメルーン、タンザニア、セネガルにおいて短期間の現地調査を行い、伐採事業、自然保護計画、消費経済の浸透などの最近の変化が住民の森林利用に与えた影響、とくに獣肉や薪炭材などの商品化が資源利用の持続性にとって問題となっていることが明らかになった。
3.森林利用の地図化に関する準備
すでにこの種の試みを先行しているイギリスなどの研究者と連絡をとり、実施のためのノウハウなどについて議論した。また、現地において、小規模のparticipatory mappingを試行し、実施にあたっての問題点を把握・検討した。
4.森林資源利用の実態把握に関する研究会の開催
国内外から関連する研究者をあつめて、ワークショップを開催し、地域住民による森林利用が抱える問題点に関して理解を深めた。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 熱帯雨林保護と先住民問題2010

    • 著者名/発表者名
      市川光雄
    • 雑誌名

      総合人間学 4(印刷中)

  • [雑誌論文] 人間の生活環境としての熱帯雨林-歴史生態学的アプローチ2010

    • 著者名/発表者名
      市川光雄
    • 雑誌名

      文化人類学研究(旧民族学研究) 74(4)

      ページ: 567-585

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 植生からみる生態史:コンゴ、イトゥリの森 森棲みの生態誌(木村大治・北西功一編)(京都大学出版会)2010

    • 著者名/発表者名
      市川光雄
    • ページ
      101-118
  • [雑誌論文] アフリカ熱帯雨林の歴史生態学に向けて 森棲みの生態誌(木村大治・北西功一編)(京都大学出版会)2010

    • 著者名/発表者名
      市川光雄
    • ページ
      3-16
  • [雑誌論文] コンゴ民主共和国・ワンバにおけるタンパク質獲得活動の変遷 森棲みの生態誌(木村大治・北西功一編)(京都大学出版会)2010

    • 著者名/発表者名
      木村大治, 安岡宏和, 古市剛史
    • ページ
      333-351
  • [雑誌論文] 農耕民と狩猟採集民における相互行為研究 森棲みの社会誌(木村大治, 北西功一編)(京都大学出版会)2010

    • 著者名/発表者名
      木村大治
    • ページ
      67-73
  • [雑誌論文] 開発政策と先住民運動のはざまで:ボツワナの再定住地におけるサンの居住形態の再編「先住民」とはだれか(窪田幸子・野林厚志編)(世界思想社)2010

    • 著者名/発表者名
      丸山淳子
    • ページ
      224-227
  • [雑誌論文] Taboo of eating bonobo among the Bongando people in the Wamba region, Democratic Republic of Congo2009

    • 著者名/発表者名
      Lingomo B., D.Kimura
    • 雑誌名

      African Study Monographs 30(4)

      ページ: 209-225

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Forests and Indigenous People in Post-conflict Democratic Republic of Congo.Question of Poverty and Development in Conflict and Conflict Resolution(in : Kato, G.A.Uyar(eds.))(Ryukoku University)2009

    • 著者名/発表者名
      Mitsuo ICHIKAWA
    • ページ
      211-226
  • [雑誌論文] 開発政策によるサンの集住化と脱狩猟採集民化:経済格差と食物分配に注目して 開発と先住民(岸上伸啓編)(明石書店)2009

    • 著者名/発表者名
      丸山淳子
    • ページ
      232-253
  • [学会発表] コンゴ盆地の歴史生態学と現代の課題2010

    • 著者名/発表者名
      市川光雄
    • 学会等名
      シンポジウム「コンゴ盆地森林居住民の文化と現代的課題」
    • 発表場所
      京都大学(京都府)
    • 年月日
      2010-03-13
  • [学会発表] Development Program and Indigenous Peoples' Movement : The Experiences of the San in Botswana2009

    • 著者名/発表者名
      Junko Maruyama
    • 学会等名
      International Workshop "The Limits to the Recognition of Distinctive Rights for Indigenous People"
    • 発表場所
      Australian National Univ.Canberra, Australia
    • 年月日
      2009-08-21
  • [学会発表] セントラル・カラハリ地域における先住民運動の展開2009

    • 著者名/発表者名
      丸山淳子
    • 学会等名
      日本アフリカ学会
    • 発表場所
      東京農業大学(東京都)
    • 年月日
      2009-05-24
  • [図書] 森棲みの生態誌-アフリカ熱帯林の人・自然・歴史I2010

    • 著者名/発表者名
      木村大治・北西功一編著
    • 総ページ数
      425
    • 出版者
      京都大学出版会
  • [図書] 森棲みの生態誌-アフリカ熱帯林の人・自然・歴史II2010

    • 著者名/発表者名
      木村大治・北西功一編著
    • 総ページ数
      388
    • 出版者
      京都大学出版会
  • [図書] インタラクションの境界と接続2010

    • 著者名/発表者名
      木村大治, 中村美知夫, 高梨克也(編著)
    • 総ページ数
      445
    • 出版者
      昭和堂

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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