研究課題
本研究は、環インド洋地域における宗教復興の実態を、地域研究に立脚した地域間比較の方法によって明らかにし、グローバル化した当該地域の社会に対する理解を、宗教変容を通じて深化させることを目的とする。特に、世俗化の逆行現象とも言える近年の「再宗教化」「再聖化」が、グローバル状況下でのテクノロジー社会への対応、新しい生命倫理観の誕生につながっていることに着目するものである。平成22年度においては、(1)文理融合をめざす総合的地域研究の方法をめぐる初年度に続く検討、(2)環インド洋の各地域における宗教復興の事例研究、特にイスラーム復興の地域間比較、(3)各地域における原典資料を含むリソースの収集、(4)宗教と生命倫理との関係、および宗教復興とITテクノロジーをめぐる事例研究、などを行った。また、マレーシア国民大学から専門家をお招きして、国際シンポジウム「イスラーム・科学・文明」を開催し、またマレーシア国民大学およびインドネシア国立イスラーム大学ジャカルタ校においても国際ワークショップを開催した。マレーシアとインドネシアにおけるワークショップは「地域間乗り入れ」による臨地研究の一環でもあり、大きな成果を得ることができた。全体として、総合的地域研究の方法および実証的な事例の地域間比較において、第二年度にふさわしい研究を実施することができた。資料収集においても重要な文献が集積され、研究に役立つリソース作りがいっそう充実した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (18件) 図書 (8件)
現代インド研究
巻: VOL.1 ページ: 1-18
イスラーム世界研究
巻: VOL.4(1-2) ページ: 289-313
巻: 4巻1/2号 ページ: 548-550
イスラームにおける知の構造と変容-思想史・科学史・社会史的視点から(小林春夫(編))
ページ: 285-306
イスラーム地域研究ジャーナル
巻: Vol.3 ページ: 73-117
『イスラームにおける知の構造と変容--思想史・科学史・社会史の観点から--』共同利用・共同研究拠点 イスラーム地域研究拠点早稲田大学イスラーム地域研究機構(小林春夫・阿久津正幸・仁子寿晴・野元晋(編))
ページ: 93-111
国際情勢 紀要
巻: 81号 ページ: 161-173
パーキスターン
巻: 234号 ページ: 4-11
東洋文庫欧文論叢
巻: 68号(印刷中)
New Horizons In Islamic Area Studies : Islamic Scholarship Across Cultures & Continents
ページ: 305-312
中東研究
巻: 第509号 ページ: 29-41
日本に生きるイスラーム-過去・現在・未来-
ページ: 15-33
イスラームの歴史2--イスラームの拡大と変容
ページ: 003-036
ページ: 037-067
南アジア社会を学ぶ人のために(田中雅一・田辺明生(編))
ページ: 208-217
イスラームの歴史1 イスラームの創始と展開(佐藤次高(編))
ページ: 155-195
イスラームの歴史2 イスラームの拡大と変容(小杉泰(編))
ページ: 62-91
Al-Aqriba
巻: 9 ページ: 178-183
南アジア・イスラームの多角的解明-歴史・思想・文学・政治
ページ: 60-90