研究課題/領域番号 |
21242007
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
小林 健二 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (70141992)
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研究分担者 |
齋藤 真麻理 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (50280532)
山下 則子 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (40311162)
鈴木 淳 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (40162953)
寺島 恒世 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (80143080)
大友 一雄 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (30169007)
江戸 英雄 国文学研究資料館, 研究部, 助教 (50290870)
武井 協三 国文学研究資料館, 名誉教授 (60105567)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 絵巻 / 奈良絵本 / 絵入り版本 / 在外資料 / 江戸前期文学 |
研究概要 |
24年度は、これまでに引き続いてニューヨーク公共図書館スペンサー・コレクションを中心として、メトロポリタン美術館、ボストン美術館などの北米東部地区のコレクションに所蔵される絵巻・絵本など絵入り本資料の調査を実施した。メンバーは単独、あるいはグループを組んで渡米のうえで調査を行った。調査データ、撮影したデジタル・データは国文学研究資料館に集めて、研究協力者の支援のもとに点検のうえで整理し、調査カードによる書誌データはファイル・メーカーを用いて整理した。 また、在米の海外メンバーは、必要に応じて来日のうえ、東京・京都・奈良・名古屋など各地に所蔵される担当資料に関連する資料調査を実施した。 研究会を平成23年5月20日と平成24年1月6日の2回にわたって、国文学研究資料館で開催し、4人のメンバーがこれまでの調査成果の個別報告を行い、研究内容について活発な討論がなされた。 平成23年度にニューヨークのコロンビア大学で行った国際シンポジウム「日本の視覚文化―芸能・絵画・テキスト」は、当科研費による調査研究が一つのベースとなって開催されたものである。その成果を、『アメリカに渡った物語絵―絵巻・屏風・絵本』(平成25年3月、ぺりかん社、258頁)として出版した。また、この成果を国際的に発信するため英語版の『Japanese Visual Culture― Performance,Media,and Text』(平成25年3月、国文学研究資料館、196頁)を作成して刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本共同研究も5年計画の4年目となり、ニューヨーク公共図書館のスペンサー・コレクションに所蔵される絵巻・絵本など、絵入り本資料について予定していた資料調査をかなり進めることができた。 しかし、調査を行っていく過程で、所蔵者側の都合で閲覧できない資料が出てきた。閲覧不可の理由としては、資料のコンデションが悪いためであったり、デジタル公開がなされているので原本は閲覧に供さないとか、近い時期に展覧、または閲覧されたものは養生のために不可とするなどである。そのため4年間請求し続けてもまだ閲覧調査できない資料があり、その数は予定していたものの約一割におよぶ。 従って、当初はすべての絵入り本の解題目録を付すことを目指していたが、悉皆調査のうえで解題目録を作成するという目的は断念せざるを得なくなった。とは言え、4年間の調査により、画像データや調査カードによる書誌データはかなり集積することができた。これらのデータをメンバーで共有し、活用していくことになる。 また、本科研による調査や研究会を重ねていくうちに、国文学・美術史学・歴史学の上で有益な資料を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、予定通りにニューヨーク公共図書館スペンサー・コレクションの絵入り本資料の調査を継続し、未調査のものを中心に最終年度の仕上げを行い、また、年に2回の研究会を開催して研究対象に対する問題意識を深めて行きたい。 また、前に述べたように閲覧不可の資料が相当数出てくる事態があり得るので、悉皆調査にこだわることなく、これまでの調査研究や研究会の討議のなかで貴重と判断された資料について、さらに調査と研究を重ね、その成果を各メンバーが研究論文にまとめて学界に発信して行く。 発信方法としては、三弥井書店から『絵が物語る日本―スペンサー・コレクションを訪ねて』という論文集として刊行するが、研究文献一覧や北米のコレクション案内なども添えて、後学の調査の指針ともなるように配慮する。
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