研究課題/領域番号 |
21242011
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
清水 康行 日本女子大学, 文学部, 教授 (00148074)
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研究分担者 |
岩井 俊昭 東京農工大学, 大学院・工学(系)研究科・研究院, 教授 (80183193)
魚住 純 北海学園大学, 工学部, 教授 (50184982)
村上 隆 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 保存修理指導室, 室長 (00192774)
坂本 清恵 日本女子大学, 文学部, 教授 (50169588)
篠崎 晃一 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (00206103)
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キーワード | 国語学 / 日本史 / 録音資料 / 音響工学 / 光工学 / 保存科学 |
研究概要 |
研究第2年度である本年度は、以下のI~IVに関する研究成果を得て、研究展開への基礎を固あることができた。次年度以降、これらの成果を踏まえて研究を進展させ、所期の研究課題の達成を目指す。 I.蝋管等初期録音資料の保存方法の開発:前年度成果を踏まえて、光コヒーレンス干渉断層撮像法等の改良を試み、蝋管および円盤レコードの表面形状に関する詳細な画像解析情報を得た。また、国産蝋管破片を試料に、表面形状の観察と素材組成の化学的分析を行い、先行試料群との類似性と相違を確認できた。 II.蝋管等初期録音資料の音声復元方法の開発:前項でも述べた画像解析の手法で得られた蝋管表面の三次元データを音声信号に変換するソフトウエアを構築し、良好な再生音を得た。また、円盤レコード全周の画像自動取得法による再生実験を行なった。さらに、既開発の実時間蝋管再生装置を用い、国産蝋管の再生実験を行なった。 III.国内外の初期録音所蔵機関の訪問調査:前年度から継続して、蝋管等初期録音資料を所蔵する国内外の諸機関を訪問し、所蔵内容・保存状態を調査した。特に、これまで未報告であった国産蝋管50本余の形状調査と再生実験を行ない、多くの情報を得た。 IV.初期録音資料群の言語内容情報の言語史的・芸能史的分析:上述II・IIIで得た音源等を対象に、1900年代初頭に録音された日本語談話・芸能の内容について、日本語史・近代日本史・日本芸能史の観点からの分析を進めた。 なお、これらの研究成果の一部を、日本語学会大会に併せて開催したイベント「最初期録音資料を聴く」(2010年5月30日、日本女子大学)等で、広く一般に披露する機会を設けることができた。
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