研究課題
研究最終年度にあたる本年度は、以下のI~IVに関する研究成果を得て、所期の研究課題を概ね達成すると共に、更なる研究の深化の必要を認識することとなった。I.蝋管等初期録音資料の保存方法の開発:前年度までの成果を踏まえて、光コヒーレンス干渉断層撮像法による蝋管の表面形状解析、表面形状の立体プリントを行うデータ処理、疑似的なリニアセンサによる連続撮像に関する研究を進め、資料の表面形状情報を保存する諸方法を開発した。また、資料自体の状態劣化を防ぐ保管方法の開発に関する基礎的な観測データを得た。今後も、こうした成果に基づき、当該資料群の適切な保存を図る努力を継続し、それらの保存方法を確立することが必要となろう。II.蝋管等初期録音資料の音声復元方法の開発:前項で述べた光コヒーレンス干渉撮像法およびエリアセンサ・擬似的リニアセンサ方式で得た蝋管表面の形状情報を音声情報に変換する方法を開発した。これらの方法により、現存する蝋管資料群の音声情報を復元・保存する活動の展開が望まれる。III.国内外の初期録音所蔵機関等の訪問調査:前年度から継続して、蝋管等初期録音資料を所蔵する国内外の機関を訪問調査した。中でも、ベルリンでは、本邦未紹介の日本語録音資料群を確認・試聴することができ、同様の貴重な資料群が、なお各地に存在する可能性を期待するに至った。IV.初期録音資料群の言語内容情報の言語史的・芸能史的分析:上述II・IIIで得た音源等を対象に、1900年代初頭に録音された日本語談話・芸能の内容について、日本語史・近代日本史・日本芸能史の観点からの分析を進めた。また、録音資料の言語資料的特徴を知る対照資料となる速記資料群についての内容分析を行ない、録音資料群の言語資料的価値についての再評価の必要を改めて認識した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件)
光アライアンス
巻: 第23巻第5号 ページ: 21-25
科研費NEWS
巻: 2012年度Vol.3 ページ: 4
Curr Pharm Biotechnol
巻: 13(14) ページ: 2562-8
巻: 13(14) ページ: 2655-2662
巻: 第23巻8号 ページ: 21-25