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2010 年度 実績報告書

東アジア木簡学の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21242023
研究機関奈良大学

研究代表者

角谷 常子  奈良大学, 文学部, 教授 (00280032)

研究分担者 冨谷 至  京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70127108)
藤田 高夫  関西大学, 文学部, 教授 (90298836)
関尾 史郎  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70179331)
鷹取 祐司  立命館大学, 文学部, 教授 (60434700)
寺崎 保広  奈良大学, 文学部, 教授 (70163912)
キーワード木簡 / 簡牘 / 東アジア
研究概要

(1) 中国の戦国時代から晋代までの簡腹が出土している唯一の地域である湖南省長沙で、簡牘の調査と学術交流を行った。訪問機関は、長沙簡牘博物館・岳麓書院など六ヶ所である。秦から晋に至る簡牘の調査のみならず、いわゆる「対書傭」をあらゆる角度から観察した。また保存上の問題から見ることが難しい帛書を実見する貴重な機会も得た。こうした調査に加え、保存科学の専門家や歴史研究者との意見交換を行った結果、簡牘は形態・文字の種類や大きさ・書き方などに時代的特徴があり、時代による変化を一層意識すべきであること、「対書傭」は役人の日常的業務の姿とみてよいか、改めて検討が必要であること、また日本の木簡の保存方法にも再検討の余地があること、帛書のたたみ方や副葬のし方についての疑問点など、多くの知見と課題を得た。
(2) 全体研究会を3回を行なった(内1回は新潟出土簡牘の調査を兼ねた)。テーマは、韓国木簡と日・中の簡牘との比較研究・多機能木簡の検討・マザールトクラク簡からの日本木簡検討などであった。いずれも各国の木簡学からの脱却という目標を明確に意識した発表内容で、特に具体的な脱却方法をみすえた検討内容であった。なかでも機能の点からどのようにアプローチするかが議論された。
(3) 南北朝時代の専門家を招いての小研究会を3回開いた。特に近年出土の晋代の木簡を中心に議論した結果、秦漢時代との時代による差異の意義、さらに日本木簡との影響関係についての研究が課題となることで認識が一致した。
(4) 代表者は台湾の中央研究院において居延旧簡の既発表簡及び未発表簡の調査を行った。その結果、写真版ではわからない墨痕や傷・くぼみなどが確認された。また未発表簡牘の中にも文字を有するものがあることも確認できた。また舘野は西安・洛陽・上海において都城遺跡や墓誌などの文字資料を調査し、また研究者との意見交換を行い、最新の研究成果を得た。

  • 研究成果

    (24件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (11件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 古代東アジアにおける木簡文化の変容2011

    • 著者名/発表者名
      李成市
    • 雑誌名

      東海史学

      巻: 45号 ページ: 3-19

  • [雑誌論文] 江陵張家山二四七號墓出土竹簡-特別関於二年律令2010

    • 著者名/発表者名
      冨谷至
    • 雑誌名

      簡帛研究

      巻: 2008 ページ: 296-310

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 文化受容のツールとしての漢字-古代から現代を照射する-2010

    • 著者名/発表者名
      藤田高夫
    • 雑誌名

      第4次韓・中・日国際学術大会 近代化社会とコミュニケーション論文集

      ページ: 355-360

  • [雑誌論文] 秦漢時代の文書伝達形態-里耶秦簡J1(16)5とJ1(16)6を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      鷹取祐司
    • 雑誌名

      (韓国)中国古中世史学会 中国古中世史研究

      巻: 24 ページ: 239-274

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 秦漢時代の文書伝送方式-以郵行・以県次伝・以亭行-2010

    • 著者名/発表者名
      鷹取祐司
    • 雑誌名

      立命館文学

      巻: 619 ページ: 50-73

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 都の流通経済2010

    • 著者名/発表者名
      寺崎保広
    • 雑誌名

      平城京の時代(古代の都2)(田辺征夫・佐藤信編)(吉川弘文館刊)

      ページ: 174-190

  • [雑誌論文] 奈良のみやこを再現する-宮都の木簡から2010

    • 著者名/発表者名
      舘野和己
    • 雑誌名

      木簡から古代がみえる(木簡学会編)(岩波書店刊)

      ページ: 39-60

  • [雑誌論文] 今後の平城京研究と木簡研究2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺晃宏
    • 雑誌名

      上代文学

      巻: 105 ページ: 22-40

  • [雑誌論文] 馬場南遺跡と橘諸兄の相楽別業2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺晃宏
    • 雑誌名

      天平びとの華と祈り-謎の神雄寺-(上田正昭監修)(柳原出版刊)

      ページ: 297-315

  • [雑誌論文] 平城京の構造2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺晃宏
    • 雑誌名

      平城京の時代(古代の都2)(田辺征夫・佐藤信編)(吉川弘文館刊)

      ページ: 24-60

  • [雑誌論文] 古代朝鮮史研究と出土文字資料2010

    • 著者名/発表者名
      李成市
    • 雑誌名

      アジア学のすすめ 3 アジア歴史・思想論(工藤元男・李成市編)(弘文堂刊)

      ページ: 114-132

  • [雑誌論文] 東アジアの木簡文化-伝播の過程を読みとく2010

    • 著者名/発表者名
      李成市
    • 雑誌名

      木簡から古代がみえる(木簡学会編)(岩波書店刊)

      ページ: 123-150

  • [学会発表] 甘粛省高台県の遺跡群と主要出土文物について2010

    • 著者名/発表者名
      関尾史郎
    • 学会等名
      内陸アジア出土古文献研究会例会
    • 発表場所
      明治大学駿河台校舎
    • 年月日
      2010-12-18
  • [学会発表] 木簡から探る平城京と北陸道2010

    • 著者名/発表者名
      舘野和己
    • 学会等名
      (財)石川県埋蔵文化財センター講座 考古学最前線
    • 発表場所
      石川県立美術館
    • 年月日
      2010-11-20
  • [学会発表] 八世紀新羅の対日通交と正倉院宝物2010

    • 著者名/発表者名
      李成市
    • 学会等名
      (韓国)国際学術大会「新羅の対外関係と蔚山港」
    • 発表場所
      (韓国)蔚山大学校
    • 年月日
      2010-11-20
  • [学会発表] 新羅の出土文字資料について-中城里碑を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      李成市
    • 学会等名
      上代文学会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2010-10-30
  • [学会発表] 日本古代の都城木簡と羅州木簡2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺晃宏
    • 学会等名
      (韓国)国立羅州文化財研究所開所5周年記念国際学術大会「6~7世紀栄山江流域と百済」
    • 発表場所
      (韓国)国立羅州文化財研究所
    • 年月日
      2010-10-28
  • [学会発表] 韓日古代社会における羅州伏岩里木簡の位置2010

    • 著者名/発表者名
      李成市
    • 学会等名
      (韓国)国立羅州文化財研究所開所5周年記念国際学術大会「6~7世紀栄山江流域と百済」
    • 発表場所
      (韓国)国立羅州文化財研究所
    • 年月日
      2010-10-28
  • [学会発表] 木簡を通してみた百済と日本(倭国)の関係2010

    • 著者名/発表者名
      李成市
    • 学会等名
      (韓国)忠清南道歴史文化研究院
    • 発表場所
      (韓国)公州大学校
    • 年月日
      2010-09-28
  • [学会発表] 竹簡・木簡を通してみた東アジア世界2010

    • 著者名/発表者名
      李成市
    • 学会等名
      国際学術大会「『論語』と東アジア」
    • 発表場所
      (韓国)成均館大学校東アジア学術院
    • 年月日
      2010-08-26
  • [学会発表] 古代東アジアにおける木簡文化の受容2010

    • 著者名/発表者名
      李成市
    • 学会等名
      2010年度東海大学史学会大会
    • 発表場所
      東海大学
    • 年月日
      2010-07-03
  • [学会発表] 秦漢時代の文書伝達形態-里耶秦簡J1(16)5とJ1(16)6を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      鷹取祐司
    • 学会等名
      (韓国)中国古中世史学会
    • 発表場所
      (韓国・ソウル)成均館大学校
    • 年月日
      2010-06-25
  • [学会発表] 王国維与簡牘学的創始2010

    • 著者名/発表者名
      藤田高夫
    • 学会等名
      (中国)王国維与中国現代学術国際学術研討会
    • 発表場所
      (中国)華東師範大学
    • 年月日
      2010-05-28
  • [図書] 平城京誕生2010

    • 著者名/発表者名
      吉村武彦・舘野和己・林部均
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      角川学芸出版

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公開日: 2012-07-19  

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