研究課題/領域番号 |
21242028
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
新田 栄治 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (00117532)
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研究分担者 |
江上 幹幸 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (30320518)
菊池 誠一 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (40327953)
山形 眞理子 昭和女子大学, 国際文化研究所, 研究員 (90409582)
丸井 雅子 上智大学, 外国語学部, 准教授 (90365693)
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キーワード | 国際研究者交流 / 多国籍 / 東南アジア古代・中世考古学 / 古代都市 / 古代国家 |
研究概要 |
本研究組織のメンバー各自の担当ごとに現地調査および研究を実施した。 新田はカンボジア、マレーシア、タイで現地調査を行ったが、特に東北タイのドヴァーラヴァティー時代の社会に固有のセーマ石の現地調査にもとづき、在地性伝統の上に沿岸地域からの仏教文化の受容が重層していることを明らかにしている。江上はインドネシア東部島喚での民俗考古学的現地調査を実施し、捕鯨・ヤシ砂糖などの生業形態についてのデータを収集した。菊池はフィリピン、マニラおよびバタン島でフィリピン出土甕棺とベトナムを含む東南アジア各地の甕棺との比較データを収集し、ベトナム・フィリピン間の関係を知る有益なデータを得た。山形はマレーシア、ケダー州所在の古代宗教遺跡、であるプジャン流域遺跡群の現地調査およびプジャン博物館収蔵資料調査を行い、マレー半島西岸でのインド文化の受容に先立つ製鉄等の生産活動を示すデータを得ることができた。丸井はカンボジアのアンコール遺跡から出土する鉛、錫の比較研究のために、マレーシア、プジャン遺跡および錫の採掘遺跡を調査し、古代から中世に至る交易品目としての錫の流通と消費に関して、カンボジアでの出土資料との比較研究を継続している。 24年度の調査研究テーマは大陸部と島嶼部における古代から中世の在地性と外来性の関係、地域間交流、流通と消費、生業に重点をおいたものである。これらの個別テーマの解明は後1世紀以降に始まる東南アジアの古代化、さらにインド化と都市の出現を理解するうえできわめて重要であり、古代・中世考古学の創生に向けてデータの蓄積と、それにもとづく研究を行うことができたことは意義あることであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究目的であるカンボジアおよび東南アジア諸地域での古代から中世に至る時期の遺跡調査および踏査は順調に実施された。またそれらの研究成果は論文や口頭発表により公表されている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は最終年度となるため、代表者・分担者各自の研究調査を実施し、最終的な研究のまとめと、報告書作成に集中する。研究課題である「東南アジア古代・中世考古学の創生」の出発点となる最終報告とする。とくに研究計画の変更、問題点はない。
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