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2011 年度 実績報告書

霞ヶ浦沿岸花室川流域の旧石器文化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21242030
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

西本 豊弘  国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (70145580)

研究分担者 安藤 寿男  茨城大学, 理学部, 教授 (50176020)
鈴木 三男  東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (80111483)
松浦 秀治  お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 教授 (90141986)
白石 浩之  愛知学院大学, 文学部, 教授 (50329596)
中島 礼  独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部, 研究員 (00392639)
キーワード旧石器 / ナウマンゾウ / 古環境 / メノウ製石片 / 年代測定
研究概要

平成23年度は、花室川河床部で昨年度に発掘したT1地点出土で採集した砂利を水洗選別し、植物・動物化石や石片を探した。その結果T1トレンチの最下部から、石片とナウマンゾウの歯版片と角片各1点を発見した。
メノウ製の石片は人為的な加工によるものと判断され、その年代は約3万年前のものであることが分かった。花室川流域ではメノウは産出せず、約60km以上離れた地点から持ち込まれたものと言われている。また、花室川流域の約3万年前の遺跡からは、メノウ製の石器や石片が多量に出土しており、今回出土した石片も、年代や石材から見て、両岸の旧石器時代の遺跡に由来するものと考えられる。
ナウマンゾウの歯版片は長さ4cmとエナメル質部分のみの小さなものであり、かなり腐食していた。約3万年前まではナウマンゾウが生息しており、この資料も恐らくその頃のものであろう。
その後、T1地点より約1km下流の左岸にNG地点を設定し、2011年12月に発掘調査を行った。調査は、地表から約7mの深さまで発掘し、上岩橋層の上面を確認した。堆積層の状況からみて、この地点も河道であることが明らかとなった。植物遺体の年代測定の結果、約約3万年前から2万年前までの堆積層であることが分かった。約3万年前にはトウヒ属の球果やオニグルミの種子などが主体的に採集され、ヴィルム氷期の最寒冷期から後氷期始め・縄文期の堆積層まで存在することが分かった。
NG地点では、現在のところ植物種子を多量に採取したが、石器や動物骨は現在のところ発見できていない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 茨城県花室川堆積物の花粉・木材化石からみた最終氷期の環境変遷と絶滅種ヒメハリゲヤキの古生態2011

    • 著者名/発表者名
      吉田明弘・鈴木三男・金憲〓・大井信三・中島礼・工藤雄一郎・安藤寿男・西本豊弘
    • 雑誌名

      植生史研究

      巻: 20 ページ: 20-46

    • 査読あり
  • [学会発表] 茨城県南部花室川低地にみられる最終氷期テフラ群2011

    • 著者名/発表者名
      中島礼・大井信三・安藤寿男・吉田明弘・国府田良樹
    • 学会等名
      日本地質学会
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      2011-09-11
  • [図書] 旧石器・縄文時代の環境文化史2012

    • 著者名/発表者名
      工藤雄一郎
    • 総ページ数
      373
    • 出版者
      新泉社

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公開日: 2013-06-26  

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