現代日本の人口減少問題に対する外国人定住化の貢献に関する研究

2012 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 21242032
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 石川 義孝 京都大学, 文学研究科, 教授 (30115787)
• 研究分担者: 宮澤 仁 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 准教授 (10312547) ; 竹ノ下 弘久 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (10402231) ; 中谷 友樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20298722) ; 西原 純 静岡大学, 情報学部, 教授 (30136626) ; 千葉 立也 都留文科大学, 文学部, 教授 (40163737) ; 神谷 浩夫 金沢大学, 人間科学系, 教授 (40192546) ; 杜 国慶 立教大学, 観光学部, 教授 (40350300) ; 山本 健兒 九州大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50136355) ; 高畑 幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (50382007) ; 竹下 修子 愛知学院大学, 文学部, 教授 (60454360) ; 片岡 博美 近畿大学, 経済学部, 准教授 (70432226) ; 花岡 和聖 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (90454511) ; 是川 夕 国立社会保障・人口問題研究所, 人口動向研究部, 研究員 (40603626)
• 研究期間 (年度): 2009-04-01 – 2013-03-31
• キーワード: 外国人 / 人口減少 / 定住 / 地図 / GIS / 個票データ / 職業達成 / 社会的統合

研究概要

平成24度の主な研究実績は、以下のように要約できる。
1)日本における外国人の定住の現状に関する調査や分析を通じ、定住化の現状と問題点を多面的に明らかにした。彼らの国籍によって事情は大きく異なるが、例えば、ブラジル人に関しては、2008年以降の不況に対する脆弱性や子供の教育問題が、トルコ人に関しては、イスラム教という宗教的基盤に基づくアイデンティティの確保が、それぞれ、定住のための重要な課題になっている。2)外国人女性の出生力は日本人女性より、概して低い。外国人女性の出生率上昇には、社会的統合や入国管理をめぐる政策や出産・育児に対する政策の転換が必要である。3)外国人の子供の教育は、日本における社会階層の上昇の重要な条件であるにもかかわらず、不十分であり、地元の自治体の支援を受けているケースが少なくない。外国人の社会移動、とりわけ管理職や専門技術職への職業達成は、国籍ごとに違いが見られるとともに、教育水準とも深く関係している。4)近年徐々に前進してきたとはいえ、わが国政府による外国人の社会的統合に関する政策は、十分とはいえず、それが外国人定住をめぐる大きな問題点となっている。この不備を補うべく、地方自治体や市民活動グループが独自に、各種の地道な支援を継続していることは、高く評価される。
2009～2012年度の期間全体にわたる研究成果の詳細は、2013年末までの刊行をめざして現在刊行準備を進めている、英文図書“Contribution of Japan’s International Migrants in Times of Population Decline”（仮題）で、明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)

理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 国勢調査のデータを日本在住の外国人の研究に利用する (2013)
  • 著者名/発表者名: 石川義孝
  • 雑誌名: ESTRELA 巻: 2013(2) ページ: 30-33
• [雑誌論文] Labour market flexibilisation and the disadvantages of immigrant employment: Japanese-Brazilian immigrants in Japan (2013)
  • 著者名/発表者名: Takenoshta, H.
  • 雑誌名: Journal of Ethnic and Migration Studies 巻: 39 ページ: in press
  • DOI: 10.1080/1369183X.2013.778140
  • 査読あり
• [雑誌論文] 居住地域の健康格差と所得格差 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中谷友樹・埴淵知哉
  • 雑誌名: 経済地理学年報 巻: 59(1) ページ: 印刷中
  • 査読あり
• [雑誌論文] Current conditions and geographical background factors of international marriages: A case study of Japan’s Tokai Region (2013)
  • 著者名/発表者名: Nishihara, J., Ishikawa, Y., Hiratsuka, H. and Kawasaki, Y.
  • 雑誌名: Geographical Review of Japan Series B 巻: in press ページ: in press
  • 査読あり
• [雑誌論文] ギュレン・ムーブメントに関する一考察－ネットワークの視点から (2013)
  • 著者名/発表者名: 竹下修子
  • 雑誌名: 愛知学院大学文学部紀要 巻: 42 ページ: 53-57
• [雑誌論文] Intermarriage and Japanese identity (2013)
  • 著者名/発表者名: Takeshita, S.
  • 雑誌名: Healy, E. ed., Creating social cohesion in an interdependent world: The experiences of Australia and Japan, Monash University Publishing 巻: - ページ: in press
• [雑誌論文] 日本における外国人の移住過程がその出生率に及ぼす影響について (2013)
  • 著者名/発表者名: 是川 夕
  • 雑誌名: 社会学評論 巻: 253 ページ: 印刷中
  • 査読あり
• [雑誌論文] 外国人の国内人口移動 (2012)
  • 著者名/発表者名: 石川義孝
  • 雑誌名: 統計 巻: 63(4) ページ: 10-15
• [雑誌論文] Displaced human mobility due to March 11 disaster (2012)
  • 著者名/発表者名: Ishikawa, Y.
  • 雑誌名: The 2011 East Japan Earthquake Bulletin of the Tohoku Geographical Association 巻: - ページ: 1-11
• [雑誌論文] 外国人の子どもの就学状況と教育問題 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮澤 仁
  • 雑誌名: 統計 巻: 63(4) ページ: 30-36
• [雑誌論文] 社会階層をめぐる制度と移民労働者－欧米の研究動向と日本の現状 (2012)
  • 著者名/発表者名: 竹ノ下弘久
  • 雑誌名: 三田社会学 巻: 17 ページ: 79-95
• [雑誌論文] 国際結婚の進展とその地域差・地理的な背景要因 (2012)
  • 著者名/発表者名: 西原 純
  • 雑誌名: 統計 巻: 63(4) ページ: 23-29
• [雑誌論文] The cognition of Vietnamese marriage migrants on the economic condition change before and after marriage (2012)
  • 著者名/発表者名: Park, S. H., Binh, P. and Kamiya, H.
  • 雑誌名: Journal of the Korean Association of Regional Geographers 巻: 18(3) ページ: 268-282
  • 査読あり
• [雑誌論文] 浙江省温州市近郊青田県の僑郷としての変容－日本老華僑の僑郷からヨーロッパ新華僑の僑郷へ (2012)
  • 著者名/発表者名: 山下清海・小木裕文・張 貴民・杜 国慶
  • 雑誌名: 地理空間 巻: 5(1） ページ: 1-26
  • 査読あり
• [雑誌論文] 在日フィリピン人研究の課題－結婚移民の高齢化を控えて (2012)
  • 著者名/発表者名: 高畑 幸
  • 雑誌名: 理論と動態 巻: 5 ページ: 60-78
  • 査読あり
• [雑誌論文] The 1.5-generation Filipinos in Japan: Youths straddling between education and employment (2012)
  • 著者名/発表者名: Takahata, S.
  • 雑誌名: 国際関係・比較文化研究 巻: 11(1） ページ: 291-302
• [雑誌論文] ブラジル人―揺れ動くエスニック・ビジネス (2012)
  • 著者名/発表者名: 片岡博美
  • 雑誌名: 樋口直人編『日本のエスニック・ビジネス』世界思想社 巻: - ページ: 103-132
• [学会発表] The diverging destinies? Assessing skill portability of foreign workers in Japan (2013)
  • 著者名/発表者名: Korekawa, Y.
  • 学会等名: The 3rd Roundtable on Labor Migration: Assessing Labor Market Requirements for Foreign Workers and Policies for Regional Skills Mobility
  • 発表場所: Hotel Pullman Bangkok King Power, Bangkok, Thailand
  • 年月日: 20130123-20130125
• [学会発表] Socioeconomic integration, transnationalism and psychological well-being among Brazilian immigrants in Japan (2013)
  • 著者名/発表者名: Takenoshita, H. and Tamaki, E.
  • 学会等名: Research Committee 31 on Migration, International Sociological Association
  • 発表場所: Tel Aviv University, Israel
  • 年月日: 20130108-20130108
• [学会発表] 日本在住外国人の地図帳作成の意義 (2013)
  • 著者名/発表者名: 石川義孝
  • 学会等名: 日本地理学会
  • 発表場所: 立正大学
  • 年月日: 2013-03-30
• [学会発表] 日本における帰化人口の分布と変化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 杜 国慶
  • 学会等名: 日本地理学会
  • 発表場所: 立正大学
  • 年月日: 2013-03-30
• [学会発表] Importance of mapping foreign residents in Japan (2012)
  • 著者名/発表者名: Ishikawa, Y.
  • 学会等名: Workshop on Community-based GIS
  • 発表場所: Academia Sinica, Taipei, Taiwan
  • 年月日: 20121126-20121126
  • 招待講演
• [学会発表] 若者の海外就職とキャリア形成への戦略－上海における現地採用日本人を事例として (2012)
  • 著者名/発表者名: 神谷浩夫･阿部康久･中澤高志･由井義通･鍬塚賢太郎
  • 学会等名: 人文地理学会
  • 発表場所: 立命館大学
  • 年月日: 20121117-20121118
• [学会発表] Fertility rates and the background conditions of cross-border marriage couples in Japan: An analysis using census microdata samples (2012)
  • 著者名/発表者名: Hanaoka, K. and Takeshita, S.
  • 学会等名: British Society for Population Studies Annual Conference 2012
  • 発表場所: University of Nottingham, UK
  • 年月日: 20120910-20120912
• [学会発表] Mapping foreign residents in Japan: Its importance and an introduction of maps (2012)
  • 著者名/発表者名: Ishikawa, Y.
  • 学会等名: International Geographical Congress
  • 発表場所: University of Cologne, Cologne, Germany
  • 年月日: 2012-08-29