研究課題/領域番号 |
21243001
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浅古 弘 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科), 教授 (90247198)
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研究分担者 |
小沢 隆司 札幌学院大学, 法学部, 教授 (10347734)
近藤 佳代子 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40153712)
新田 一郎 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40208252)
西 英昭 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (50323621)
藤野 裕子 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (70386746)
田口 守一 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80097592)
浦川 道太郎 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90063792)
加藤 哲夫 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90063809)
山中 至 熊本大学, その他部局等, 教授 (90167718)
江 正殷 早稲田大学, 公私立大学の部局等, その他 (10308249)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 台湾 / 韓国 / 植民地 / 判決原本 / 岡松参太郎 / 千種達夫 / 宮内季子 |
研究概要 |
本研究は、(1)帝国と植民地統治という視点から、『岡松参太郎文書』等の歴史資料に基づき、東アジア諸国の近代法の形成に及ぼした相互の影響を実証的に明らかにし,そこにおける日本法の影響とその意義を明らかにするために、(2)台湾及び韓国に現在する日本統治時代の判決原本などの裁判記録を、研究資料として利用できるよう、目録を作成し,これを公開することによって、植民地法制に関する研究の基礎を整えようとの試みである。 本年度は、(1)台湾法務部司法官訓練所が保管する日本統治時代の「台中地方法院刑事判決原本(昭和期)」15冊3,070件を目録に採録した。これで「台中地方法院刑事判決原本」317冊37,136件の目録の採録が終わった。(2)早稲田大学図書館所蔵『千種達夫文書』1,282点の目録DBを早稲田大学東アジア法研究所のWebページから公開した(http://www.waseda-eals.com/database.html)。『千種達夫文書』には、満州での旧慣調査や家族法の立法に関係する資料、判決の起案文書・既済材料・調査草稿、家庭事件のメモなどの裁判官としての活動に関係する文書、原稿やノート類、穂積重遠らの知友からの書簡などが含まれている。(3)早稲田大学図書館所蔵『宮内季子文書』438点(書簡290点、書類70点、写真その他78点)の目録DBを次年度に公開できるよう、仮目録の確認作業と修正作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)「台中地方法院刑事判決原本」の目録採録作業はほぼ計画通りに進捗し、残り20册余となり、平成25年度(本研究課題の最終年度)中に仮目録の完成の目処が立った。 (2)『千種達夫文書』目録DBを公開し、同文書を学界の共有財産として提供できたことは、本研究課題の成果である。同文書は、法制史、社会史、植民地史、東北アジア史といった歴史研究ばかりでなく、戦後の家族法や労働法に関する理論や実務に関係する裁判官資料が含まれており、法律学においても広く活用しうる資料群であるからである。 (3)他方、研究会及び海外の資料調査が十分に行えなかった。『千種達夫文書』の公開についての図書館との打合せやDB構築の準備作業に時間を費やしたためである。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度が本研究課題の最終年度であるので、(1)「台中地方法院刑事判決原本」の仮目録を完成させること、(2)『宮内季子文書』目録DBを公開すること、(3)研究会を行うこと、を研究計画の中心としたい。研究会については、平成25年6月29日に王泰升教授(国立台湾大学)、岩谷十郎教授(慶應義塾大学)、村上一博教授(明治大学)、橋本誠一教授(静岡大学)を招き、戦前期の司法制度と弁護士の役割をテーマに、帝国と植民地法制研究会を開催する企画を進めている。
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