研究課題/領域番号 |
21243002
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研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
田里 修 沖縄大学, 法経学部, 教授 (40179685)
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研究分担者 |
森 謙二 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (90113282)
林 研三 札幌大学, 法学部, 教授 (60218568)
矢野 達雄 広島修道大学, 法学部, 教授 (00136300)
青嶋 敏 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10202483)
奥山 恭子 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (50214086)
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キーワード | 沖縄近代法 / 土地制度 / 家族制度 / 地方制度 / 戸籍制度 |
研究概要 |
昨年度は、研究代表者と分担者全員で2012年度の出版を目指して各自論文を執筆し、本の刊行準備をすることができた。この執筆過程において、研究代表者は以下の点を明らかにできた。(1)琉球・沖縄の地割は「老若男女」平等であると言われていたが、その歴史的論証は課題として残されていた。これについて、沖縄の課役・夫役である、日用銭の分析を通じて明らかにできることが、論証された。すなわち、日用銭は1697年頃には、女は男の7割5分であり、その頃には、老男、幼男も同様である。日用銭で、女が男の半分になるのは1765年からであった。また1697年頃には、片輪すなわち障害者も女、老男などと同等である。さらにその他のことから、地割は本来、老若男女、障害者を含め、共同体成員全員平等に割り当てられていた、と考えられることが証明できた。 また、執筆過程において、研究代表者は、「土地整理」の成立過程についても研究を進めた結果、明治28年8月の大蔵省の検討会に置いて、当時の目加田種太郎局長、有尾敬重課長のもとで、(1)沖縄の地割慣行を活用して、所有権処分を行うこと(2)土地を整理することが決定されていったこと。さらに明治28年12月付の内務大臣、野村「地方制度改正ノ件」(『沖縄県史第13巻』604頁)の文中に、「土地整理」の用語が使用されていることを発見した。 研究分担者の青嶋敏は、これまでの沖縄県例規集の分析の中で、沖縄県の「令達の類型とその変遷」について明らかにすることができた。その他、研究分担者の各自が、これまでの研究をさらに進展する論文を執筆することができた。 研究代表者と分担者の計5名は3月に早稲田大学で開催された「復帰40年記念シンポ」において、以上のような研究内容について報告することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」において述べたように、各研究者においてそれぞれの研究を進展させることができた。 また、全体として「沖縄近代法」についての共通理解と、今後の展望として「テキスト」作りを行っていくことが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も例年どおり、8月と3月の2回、沖縄大学において研究会を行う。各分担者はその前後に、沖縄現地の調査研究を行う。また今年度は、全員で分担して、後学のための「テキスト」作りを行う。このテキストは土地制度の歴史についても、「土地整理」「登記制度」「林野制度」といった、より詳しい分野毎の歴史、制度史、法制史を予定している。 これと並行して、昨年執筆の論文集の発刊を進めて行く。発刊後は、広告・宣伝をかねて「報告会」を予定している。
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