研究課題/領域番号 |
21243003
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡田 信弘 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60125292)
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研究分担者 |
高見 勝利 上智大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70108421)
浅野 善治 大東文化大学, 大学院・法務研究科, 教授 (60384682)
只野 雅人 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90258278)
笹田 栄司 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20205876)
常本 照樹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10163859)
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キーワード | 公法学 / 政治学 / 議会制 / 二院制 / 立法過程 |
研究概要 |
本年度は、二院制下での立法過程に関する具体的な比較研究を実施し、そこでの問題点の析出とそれの解消策の検討を本格的に開始した。具体的には、(1)研究分担者の深められた研究を前提にした中間報告をまとめる研究会を、昨年9月と本年3月に札幌(北海道大学)で開催した。9月の研究会には、各研究の問題点や不十分さを明らかにするために、ゲスト・スピーカーを招待した。ゲスト・スピーカーの報告タイトルは次のとおりである。(1)芦田淳氏(国立国会図書館):「イタリアの対等な二院制下における立法過程」、(2)大石眞氏(京都大学):「両院制運用への展望」(研究分担者の淺野善治氏(大東文化大学)によるコメント:「いわゆる「ねじれ国会」の状況における両議院の権能」)、(3)高安健将氏(成蹊大学):「議院内閣制の比較分析」、(4)佐藤治氏(衆議院厚生労働委員会専門員):「現場で見た国会活動の一側面」。これらの報告については、順次、「北大法学論集」で公表する予定である。本年3月の研究会では、研究分担者の高見勝利氏(上智大学)による「衆議院の議員定数不均衡問題に対する国会の対応」についての報告が行われた。(2)平成24年度に開催を予定している国際シンポジウムの準備を兼ねて、主要国における二院制下での立法過程のありようをより明確に理解するために、研究代表者を含む3名のメンバーで、実地調査(イギリス・フランス)を行った。イギリスでは上院改革に深く関わっているメグ・ラッセル氏(UCL)に聞き取り調査を行い、フランスでは元老院(上院)を訪問し、議長事務局で2008年憲法改正後の立法のありようについて調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主要国における二院制研究を担当している研究分担者の研究成果がいろいろな媒体を通じて公表されるとともに、多様なゲスト・スピーカーによる報告も主に「北大法学論集」で公にしているが、これらは学界で注目されつつある。また、今までに実施した外国における調査などによって、平成24年度に開催予定の国際シンポジウムの準備も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
日本の「ねじれ国会」における立法活動の「機能不全」の原因を分析するとともに、それが特殊日本的な現象なのか、それとも二院制に普遍的に付随する病理なのかについて明らかにするために、予定通り、平成24年度に国際シンポジウム(イタリア・イギリス・ドイツ・フランスから報告者を招いて9月に実施予定)を開催する。なお、その成果は、本共同研究の最終年度である平成25年度中に出版する予定である。
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