研究課題/領域番号 |
21243014
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奥脇 直也 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 客員教授 (60108199)
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研究分担者 |
交告 尚史 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (40178207)
城山 英明 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (40216205)
加藤 浩徳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70272359)
松浦 正浩 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 特任准教授 (70456101)
許 淑娟 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 額研究員 (90533703)
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キーワード | トランスナショナルイシュ / 海洋ガバナンス / 海洋法 / 合意形成 |
研究概要 |
本研究では昨年度に引き続き、3つの側面から研究を行った。第1に、外航船舶の通航権問題について、国連海洋法条約等に関する検討を行ったが、特に今年度は、船舶通航に係る環境に関する側面、とりわけ、他の条約体制(ロンドン投棄条約や生物多様性条約)との相互関係にも着目し、海上交通に関連するCO2対策およびそのための科学実験・排出ガス対策や海洋保護区の在り方に係る検討を行った。さらに航行を阻害する怖れのある有益な事業の例としての海底ケーブルの現状に係る調査のほか、アジア海域における安定的な海上交通ネットワークの一事例として離島航路等離島の現状について把握した。また、海上交通に係る規制としてカボタージュ規制に着目し、欧米及びアジアの法制との比較検討を実施した。第2に近年の海上交通ネットワークに係るガバナンスの形成過程について、IMOに加えてアジア各国間における交渉過程の実態を調査するとともに、マラッカ・シンガポール海峡について、通航制度の形成における海峡沿岸国、海峡利用国、IMO等の交渉当事者や学識経験者に対する聞き取り調査を実施した。またアジアの海上交通に係るリスクについて、技術的側面から社会的影響の予測や対応案の提示のあり方について検討を行った。第3に、マラッカ・シンガポール海峡について、同海峡が事故等により封鎖された場合の各港湾に与える影響、アジア経済へのインパクトやアジア海域における代替航路による場合の経済効果などについてのバルク貨物を対象にシミュレーション及びリスク評価を行った。同作業のために、海運や海上保険の関係者に対する実態の聞き取り調査等も継続して実施した。以上を踏まえ、アジア地域の海上交通に関わる多様な問題について、アジアの主要ステークホルダーを招いて、その戦略等を聴取するとともに、持続可能な海上交通のあり方について意見交換を行うワークショップを開催した。
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