本研究における第1の目的である「地域協力枠組みの成立と発展に関する基礎的情報の記録」においては、H21年度は9月に北京、2月にシンガポール、H22年6月にインドネシア(繰越)に出向き、東アジアにおける地域主義の専門家や政策担当者からの聞き取り調査を積極的に行った。また8月と2月には国内でも専門家から聞き取り調査を行った。第2の目的「収集された基本資料などをもとに20世紀後半から21世紀にかけての東アジア地域協力枠組みの進展の歴史を叙述する」という点においては、インタビューの記録の編集などをもとにワーキングペーパーの作成をすすめると同時に、1ヶ月に1回程度、研究会を開き、各担当者と進捗状況を確認しながら着々とすすめているところである。また、第3の目的「綿密な分析をベースに、他地域の地域統合の事例と比較検討することで地域統合に関する新たな理論的展開をめざす」という点においては、聞き取り調査などで収集した資料やデータをもとに、計画的に分析をすすめているところである。 研究代表者および研究分担者は、これまでの研究実績に、上記の資料収集と研究活動の成果を付け加えつつ、雑誌論文10件、学会報告3件、著書(共著を含む)を14件、発表した。特に中国や東南アジアにおける聞き取り調査の結果が、かなりの数の論文に反映された。
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