研究概要 |
平成25年度は本研究プロジェクトの最終年度であり、帰納的ゲーム理論と認識論理学、そして制度論の具体的問題と今までの集大成に向かって研究を遂行した。情報提供者をセミナーに呼びワークショップを定常的に行った。国内外のコンファレンスに参加し、他大学において情報収集を行い、他の専門家達からの意見を聞いた。 その活動の一環として、研究代表者(金子守)と研究分担者(秋山英三・石川竜一郎)は、8月27日~30日に筑波大学において、"2013 International Workshop on Game Theory, Epistemic Logic, & Related Topics”を開催した。この研究会では、海外から16名、国内から14名の参加者があり、本プロジェクト研究の進展のため大いに役立った。 具体的研究:研究代表者(金子守)と海外研究協力者(J. J. Kline)は、人間が経験からいかに信念・知識を獲得するかについて、また、その信念・知識を使い新たに意思決定を行い、行動を変化させる可能性などに関して研究を行った。同時に被験者実験を行った。また帰納的ゲーム理論に関しての計算機シミュレーションの研究も研究分担者(秋山英三・石川竜一郎)によって進めた。また、認識論理学において、限定された推論能力をもったプレイヤーの研究を研究代表者(金子守)と研究分担者(鈴木信行)が進めた。ゲンツェン流の認識論理の体系で、証明(推論)の複雑性を定義し、その性質を研究した。これらの研究により、帰納的ゲーム理論の経験的・理論的基礎が発展させられた。 特に、5年間の集大成として、学術誌Economic Theory 53 (2013),1-108に “Logic and Economics:-Interactions between Subjective Thinking and Objective Worlds”という特集号を組んで、研究成果を発表した。また、『経済セミナー』誌(2013年10月~11月号、pp.69~75)の「制度と認識の構築に向けて」(金子守・石川竜一郎)でプロジェクト全体の成果とこれからの研究方向を議論した。
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