研究課題
本科学研究プロジェクトでは昨年度に研究プロジェクトとして行った金融分野・保険分野における研究成果をさらに発展させ、金融・保険のリスク管理問題、とりわけ信用リスクの統計科学の可能性について検討した。金融リスク・保険リスクの統計的評価法についてはここしばらくの間、様々な方向から研究されている。本年度の研究の一例を挙げるとプロジェクト参加者の国友直人・大屋幸輔は高頻度金融データという非常に微細なデータよりリスク管理において重要な実現分散・実現共分散の統計的推定問題を検討している。太田亘は証券取引において、価格変動と取引金額に正の相関があり、売買が活発であるときに価格も大きく動くことから取引開始前後の価格の変化に着目して研究を行った。中川秀敏は第一のテーマである、信用リスク分析に関連して中小企業CLOのデフォルト依存関係の分析について、川崎能典は2項モデルの予測によるリスクについて、さらに研究を進めた。より具体的な研究成果についての詳しい内容は、論文リストに挙げている研究論文を参照されたい。なお、2011年度は研究プロジェクトの最終年度であるので研究成果についての研究報告会の開催を予定している。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (12件)
Mathematics and Computers in Simulation
巻: 81 ページ: 1290-1298
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東京大学 Discussion Paper
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Proceedings of Joint Statistical Meeting 2010
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日本行動計量学会第38回大会抄録集
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