研究課題/領域番号 |
21243025
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山内 直人 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
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研究分担者 |
石田 祐 国立明石工業高等専門学校, 専任講師 (20455554)
稲葉 陽二 日本大学, 法学部, 教授 (30366520)
西出 優子 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (60451506)
田中 敬文 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50236600)
大野 ゆう子 大阪大学, 生態防御医学研究所, 教授 (60183026)
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キーワード | 経済事情 / 公共政策 / ソーシャルキャピル |
研究概要 |
本研究は、「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の定量的把握および統計的分析からその経済社会的効果を分析すると同時に、学際性を重視し、政策的意義について検討・評価することを目的としている。本年度は、研究実施計画に基づき、ソーシャル・キャピタルに関する先行研究を調査し、本研究における理論分析・実証分析の枠組みについて精査した。また、少子高齢化、情報化、健康、賃金格差、地方分権化、地域活性化、財政支出、地縁活動、非営利活動など、ソーシャル・キャピタルが経済的、社会的活動および現象に与える影響に関する実証分析や事例研究の成果について、国内外の学会や研究会で報告し、学術誌への投稿・掲載を行った。また、アジアにおけるソーシャル・キャピタルに関する研究動向や政策検討例や政策実施例を把握するため、関係機関へのヒアリングや関連会議出席による情報収集を行った。また、学際性を重視した学術交流を目的として、定期的に研究会を開催し、個別分野の専門家を招聘し、研究報告および意見交換を行った。 これらの研究成果により、抽象的概念であるソーシャル・キャピタルに対する客観的・厳密な分析の可能性が明らかになった。また、これまで十分解明されてこなかった日本型ソーシャル・キャピタルのモデルを提示し、多様な政策対象とソーシャル・キャピタルとの関係性に関する一定の示唆が得られるとともに、ソーシャル・キャピタルの社会的意義や政策的インプリケーションに関する検討課題や論点が整理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
4年計画の3年目に当たる23年度には、計画していた研究内容はおおむねカバーできたことに加え、当初の計画では想定されていなかった東日本大震災の発生とその後の復興過程におけるソーシャル・キャピタルの役割について、研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は本研究の最終年度に当たるので、これまで3年間の研究成果を再度吟味するとともに、研究成果のとりまとめを行い、あわせて政策的インプリケーションについても検討する予定である。国内および海外の学会において、これらの研究成果を積極的に発表するとともに、研究成果をまとめた論文を執筆し、内外の学術誌に投稿し、成果の公開・普及に努めることとしている。
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