研究課題/領域番号 |
21243029
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
久保田 敬一 中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (00120858)
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研究分担者 |
竹原 均 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70261782)
河合 忠彦 中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (60080363)
横田 絵理 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20277700)
米山 茂美 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30258496)
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キーワード | 同族経営 / ガバナンス / 開示の質 / 企業価値 / 組織の階層 / 創業者精神 / 税制と同族企業 / 資金調達方法 |
研究概要 |
4年間の研究の初年度である平成21年度は、同族経営企業の基本データ整備をすることに研究の主力をそそいだ。まず、東洋経済データベース(大株主一覧、役員一覧)を最新年から数年間遡って購入し、これを元に、過去の会社名鑑、会社四季報などで補遺して、日本の上場企業3,527各社へ、株主リスト、役員リストを差し込み印刷し、アンケートの依頼状と共に送付した。アンケート文面では、同族に当たるかどうかをそれぞれの個別のマスにチェックしてもらうという回答側に極めて簡便な方法を取り、回答方法も郵送およびWEB上での個別ログインによりインプットできるよう工夫した。締切日の2月末現在で、回答社数は373社であり、その後も少しずつ戻ってきている。 平成21年度にはさらに、同族経営企業新データベースができた時点において、詳細な実証研究に入るための準備として、基礎研究を単独または共同で行い、企業の質、情報開示の質、財務体質の良悪、産業内での地位、経営組織内における不完全情報の影響などについての、実証研究のための基本仮説を形成するための論文を国内外の学会および海外大学セミナーで発表し、一部を学術雑誌等において公刊した。 久保田は、香港科技大学主催同族経営企業シンポジウムにパネリストとして招かれ日本の同族企業経営の特徴について、華僑の経営と対比させながら2回のセッションにおいて発表し、連携研究者浅羽は、スタンフォード大学主催の会議に招待され、日本同族企業の投資行動についての実証結果の発表を行った。 平成22年度は、完成させる同族経営企業新データベースを元に、同族企業と非同族企業の経営効率上、財務上、開示の質、組織構造についての差および優劣を比較する実証研究に着手する。企業へのインタビューは、21年度のアンケート項目において可と回答してくれた企業に、研究メンバーによる個別インタビューを行う。さらに、今回対象外であった非上場企業についての調査の方法も検討を始める。
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