研究課題/領域番号 |
21243029
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
久保田 敬一 中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (00120858)
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研究分担者 |
竹原 均 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70261782)
横田 絵理 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20277700)
澤木 勝茂 南山大学, ビジネス研究科, 教授 (80065482)
淺羽 茂 学習院大学, 経済学部, 教授 (60222593)
海老原 崇 武蔵大学, 経済学部, 准教授 (00367129)
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キーワード | 同族経営 / 企業価値 / 情報の非対称性 / ガバナンス / 開示の質 / CSP / 株式流動性 / 資本コスト |
研究概要 |
今年度は、9月に国際シンポジウム(International Conference on Ownership, Management Control, and Family Businesses : Theory and Evidence)を開催した。当初、研究代表者久保田所属の中央大学にて開催予定であったが、関東地方の電力不足への不安、また海外からの予定講演者の来日への不安を軽減するため、会場を研究分担者澤木が所属する南山大に移動し、海外から6名の発表者を迎え(米国、カナダ、シンガポール、タイ)、国内から約35名の参加者を迎えて、研究対象を、同族企業中心として、株式所有者分布が与える企業株価、エージェンシーコスト、CSPへの影響を分析する合計7本の論文発表とパネルディスカッションを行い、研究課題への理解を深化した。会議中に、世界的工作機械メーカかつ非上場の同族企業であるヤマザキマザック本社を参加者の大半が訪問し、長時間の見学を行い、1時間強の質疑応答を行った。 定量分析として、昨年度は上場同族企業データ観察期間が1年のみであったものの整備をさらに進め、3年分約1,500の同族企業サンプル数(firm years)が利用可能となり、非同族上場企業約2,700数との比較ができるまで整備が進んだ。 このデータを元に、開示の質に関した共同論文をssrn.comに研究分担者海老原が公開、またCSPに関した共同論文は研究分担者竹原がSouthwestern Finance Association,日本経営財務研究学会東日本部会にて発表した。同族企業についてのマイクロストラクチャー実証研究論文は、来年7月開催のWorld Finance Conferenceで採択済み、来年度開催の米国の学会投稿用ページであるssrn.comに投稿すると同時にssm web上に公開した。これら3論文は、来年度開催の国内外学会へも投稿中、発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は理論分析および定量分析に人的資源を投入し、同族企業の企業行動を探索するファイナンス理論の確認のため国際シンポジウムを開催し、また3年間で構築してきた独自の最新同族企業データベースにもとづいた実証分析、論文執筆を進め、当初の予定通りの成果を得ており、上場企業の同族企業サンプルについて3論文をすでに発表し、論文のWeb上での公表も進んできているが、上場、非上場企業共に、経営者インタビューについては、これまでの実証研究結果を確認しながら、質問を行いと考えたこともあり遅行しているが、2012年よりこれを開始した.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、執筆中またその他、新たに執筆予定の論文を内外学会にて発表し、同時に内外の学術雑誌への投稿を進める。そのために、現在はすでに3年間のデータベースが完成しているが、これをさらに5年間遡及し、8年間の日本における同族企業の包括的最新データベースを構築する。並行して、同族企業対非同族企業のインタビューにも人的資源を投入し、最終的に、本研究の総合的成果は、武蔵大公開サーバ上に研究プロジェクト専用ホームページとしてこれを構築し、web公開する。ただし、公刊済みの論文については要旨のみを掲載する。
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