研究課題/領域番号 |
21243040
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
積山 薫 熊本大学, 文学部, 教授 (70216539)
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研究分担者 |
村山 伸樹 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (60094108)
伊賀崎 伴彦 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (70315282)
伊丸岡 俊秀 金沢工業大学, 情報学部, 准教授 (20387351)
松本 圭 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (40367446)
篠崎 淳 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30510953)
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キーワード | 視聴覚音声知覚 / 言語特異性 / 人工内耳 / 共感 / 社交不安 / ERP / fMRI |
研究概要 |
1)視聴覚音声知覚の脳内過程の言語間比較では、視覚情報への依存度に差異のある日本語母語者(低依存)と英語母語者(高依存)の脳内処理過程の違いを、単音節刺激を用いて脳波とfMRIで検討した。脳波実験では、聴覚刺激の立ち上がりから起算し、初期成分であるN1,P2,N2を解析のターゲットとしたところ、日本語母語者(JPN)と英語母語者(ENG)の違いが視聴覚呈示条件のP2,N2潜時において有意にみられた。また、fMRI実験では、視聴覚呈示条件において、JPN群はENG群よりMT野の活動が強くみられた。 2)人工内耳装用者の視聴覚音声知覚の検討では、熊本大学医学部附属病院で人工内耳埋め込み手術を受けた患者24名に対して、「CI2004」検査語を用いて作成したビデオ版視聴覚音声知覚検査をおこなった。その結果、人工内耳装用年数によって聞き取り成績に差があり、特にノイズのある環境においては、装用年数が4年未満の短い群ではノイズによって顕著に聞き取りが阻害されるのに対して、4年以上の群ではノイズによる大きな成績低下はなかった。また、4年未満の群は、読唇を多用して聞き取りを大幅に向上させていた。 3)共感の脳内基盤とその個人差の検討では、痛み経験に伴う脳活動変化をとらえるためにfMRI実験を行った。被験者数を昨年度からさらに増やして実験を行ったところ、痛み経験に伴う帯状皮質の変動および共感性尺度との相関は傾向としてはみられたが、統計的有意性をもって示すことはできなかった。 4)今年度は、これまで行ってきた質問紙、眼球運動測定、NIRSに加え、fMRIを用いて脅威表情認知の脳内基盤と不安傾向の関係を検討した。不安水準の違いによって教委表情認知課題中の脳活動の強さが異なる領域が複数見られることが明らかとなった。認知行動療法による介入前後の脳活動の比較もケース数を増やし実施する予定である。
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