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2010 年度 実績報告書

臨床教育学の構築と教師の専門性の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 21243043
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

田中 孝彦  武庫川女子大学, 教育研究所, 教授 (80092261)

研究分担者 森 博俊  都留文科大学, 文学部, 教授 (10145708)
福井 雅英  北海道教育大学, 大学院, 教授 (20388804)
田中 昌弥  都留文科大学, 文学部, 教授 (60261377)
庄井 良信  北海道教育大学, 大学院, 教授 (00206260)
龍崎 忠  岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (80340389)
キーワード臨床教育学 / 教師教育 / 子ども理解 / 教師の専門性 / 発達援助職 / フィンランド / カナダ / コミュニティ
研究概要

本年度は,次の三つの調査を実施し,臨床教育学の構想・課題,概念・方法の理論的検討を深めた。
(1)日本の大学で進められている臨床教育学の構築の動き,教師の専門性の再検討とそれを軸とする教師の養成・教育・研修の改革の試みの今日的な到達と課題を整理した。大学調査としては,臨床教育学の開拓を志向しつつ教師の専門性の再検討を進めている都留文科大学・大学院における卒業生・修了生への聴きとり調査を実施した。
(2)共通する問題意識の下に教育学と教師教育の改革に取り組んでいる世界の実践家・研究者たち(フィンランド・カナダ等)との研究交流を広げ深めることができた。海外調査は,フィンランドのオウル大学・教師教育学部(カヤーニ校),カナダのアルバータ大学,サイモンフレーザー大学等,海外の拠点大学で実施した。
(3)地域において,問題・困難を抱えた子どもについての理解の深化,子どもを支える新しい共同関係の創造を追求し,発達援助専門職や教師のあり方を模索している人々の動きについて調査研究を本格化し,臨床教育学への社会的要求を確かめることができた。地域調査では,発達援助専門家たちとの連携・共同を基盤に教師の専門性を問い直しているコミュニティの一つである北海道・檜山上ノ国町での聴きとり調査を実施した。
これらの基礎的な調査活動を通して,教師の専門性の再検討と教師の養成・教育・研修の内容の改革の今日的課題の抽出を行うことができた。それを通じて,教師を,現代の発達援助専門職の一員,子どもの生活史・生育史上の問題・課題の共感的な理解者,子どもが生存・成長のために必要とする人間関係のコーディネイター,子どもが必要とする学習活動の計画的組織者,Teacher(教授者)であるだけでなくEducator(教育者)として位置づけ直し,その専門性を問い直すことができ,2年目の共同研究として基本的な理論構築の枠組みを探究することができた。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (10件) 学会発表 (6件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 思春期少女の自己獲得に同伴した一事例-"身体的自己"という視点から援助の本質を考える2011

    • 著者名/発表者名
      筒井潤子
    • 雑誌名

      都留文科大学研究紀要

      巻: 73 ページ: 9-22

  • [雑誌論文] 臨床教育学フィールドワーク再考-6年間を振り返り,これからの在り方を考える2011

    • 著者名/発表者名
      筒井潤子
    • 雑誌名

      都留の臨床教育学

      巻: 3 ページ: 9-11

  • [雑誌論文] 都留文科大学調査報告2011

    • 著者名/発表者名
      影浦紀子
    • 雑誌名

      臨床教育学と教師の専門性(研究資料集)

      巻: 2 ページ: 54-59

  • [雑誌論文] 生活綴方教育の今日的可能性2010

    • 著者名/発表者名
      田中孝彦
    • 雑誌名

      現代と教育

      巻: 82 ページ: 79-87

  • [雑誌論文] 教師教育における「子ども理解のカリキュラム」の構想2010

    • 著者名/発表者名
      田中孝彦
    • 雑誌名

      教師の専門性と臨床教育学

      巻: 2 ページ: 182-186

  • [雑誌論文] 今,学校は,子どもにとってどんな場所でなければならないか2010

    • 著者名/発表者名
      田中孝彦
    • 雑誌名

      学校運営

      巻: 586 ページ: 24-27

  • [雑誌論文] 子どもにより添う実践と教師の成長2010

    • 著者名/発表者名
      福井雅英
    • 雑誌名

      作文と教育

      巻: 764 ページ: 66-71

  • [雑誌論文] 子どもの生活に心を寄せる教師のセンス2010

    • 著者名/発表者名
      福井雅英
    • 雑誌名

      作文と教育

      巻: 767 ページ: 39-46

  • [雑誌論文] 「障害」とは何かを問い続けよう-支援者が心得ておきたいこと2010

    • 著者名/発表者名
      氏家靖浩
    • 雑誌名

      発達

      巻: 123 ページ: 47-53

  • [雑誌論文] 教育方法としてのケアの理論と実践2010

    • 著者名/発表者名
      庄井良信
    • 雑誌名

      研究集会(東京大学)報告書(日本教育方法学会)

      巻: 14 ページ: 4-13

  • [学会発表] 北海道における臨床教育学:その歩みと未来展望2011

    • 著者名/発表者名
      庄井良信
    • 学会等名
      北海道臨床教育学会設立
    • 発表場所
      札幌サンプラザホール(招待講演)
    • 年月日
      2011-01-29
  • [学会発表] 特別支援教育のビデオエスノグラフィー:小学校のクラスのなかの発達障害児を巡って2010

    • 著者名/発表者名
      氏家靖浩
    • 学会等名
      日本質的心理学会第7回大会
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      2010-11-14
  • [学会発表] 臨床教育学の動向とデューイ(5):「ナラティヴ的探究」が示唆するもの2010

    • 著者名/発表者名
      龍崎忠
    • 学会等名
      日本デューイ学会第54回大会
    • 発表場所
      大正大学
    • 年月日
      2010-09-20
  • [学会発表] 教師教育における子ども理解のカリキュラムとカンファレンス的学習の位置について2010

    • 著者名/発表者名
      田中孝彦
    • 学会等名
      日本教育学会第69回大会
    • 発表場所
      広島大学(招待講演)
    • 年月日
      2010-08-21
  • [学会発表] 教師養成改革の試み:学生カンファレンスから2010

    • 著者名/発表者名
      筒井潤子
    • 学会等名
      日本教育学会第69回大会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2010-08-21
  • [学会発表] 不登校の家族支援を問う2010

    • 著者名/発表者名
      氏家靖浩・佐藤俊彦・森谷就慶
    • 学会等名
      日本臨床心理学会第46回大会
    • 発表場所
      東京代々木オリンピックセンター
    • 年月日
      2010-07-13
  • [図書] 『いのち,学び,そして9条』(「子ども理解と憲法の再発見」執筆)2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤学・小森陽一・田中孝彦
    • 総ページ数
      94
    • 出版者
      高文研
  • [図書] 『日本のデューイ研究と21世紀の課題』(「デューイの環境哲学が21世紀を生きる私たちに示唆するもの」)執筆2010

    • 著者名/発表者名
      龍崎忠
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      日本デューイ(世界思想社)

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公開日: 2013-06-26  

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