研究課題/領域番号 |
21243044
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉本 圭一 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30249924)
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研究分担者 |
稲永 由紀 筑波大学, ビジネス科学研究科, 講師 (80315027)
村澤 昌崇 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (00284224)
長谷川 祐介 大分大学, 教育福祉科学部, 講師 (30469324)
新谷 康浩 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (10345465)
亀野 淳 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (50333646)
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キーワード | 専門学校 / 短期大学 / 高等職業教育 / 教職員 / キャリア形成 / 卒業生 |
研究概要 |
科研3年度目として、非大学型高等教育の職業教育の主体、目的、方法を探求し、多様な専門分野ごとにカリキュラムと教員、教育組織の事例調査や量的調査を進めるとともに、職業教育の質保護の方法論として近年国際的に急速な展開を遂げている学位・資格枠組みについて、国際的な比較的考察と日本における可能性について、研究を行った。 本年度は特に<G2:教職員班>による非大学型高等教育機関、特に短大、専門学校の教育スタッフに関する調査結果の分析を行った。教員調査については、平成23年7月末時点で機関調査(郵送調査)計572票、教員個人調査(Web調査)計3,475票の回答を得て、教員の資質と志向性、職務活動と能力開発にかかる観点での分析、非常勤スタッフを含めた教育組織に注能した分析、機関単位と教員個人単位でのデータの総合的分析を行った。また、大学セクターに注目した「教授職の国際比較調査(CAP調査)」における「アカデミックな専門職」としての教育スタッフに関する分析枠組みと調査結果とを比較検討した。研究結果は、日本高等教育学会、日本インターンシップ学会、日本教育社会学会、日本産業教育学会等にて発表を行った。 <G3:進路・キャリア形成班>においては、高等教育人材とコンピテンシーについての理論的な検討を行い、日欧大卒者調査(REFLEX調査)、短大卒業生調査(CC研調査)の分析結果を再検討し、それを踏まえて短大、専門学校の卒業生に対してのwebアンケート調査を開発した。 なお、課題探索型の会合として初年度に開催した、国際ワークショップの報告として、ワーキングペーパーシワーズNo.1『非大学型高等教育と学位・資格制度-国際ワークショップ報告-』を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非大学型高等教育機関における職業教育プログラムの主体、方法、目的に関する実証的な研究を手がけた.<方法>にかかる<G2:教員調査班>では、短大、専門学校の教育スタッフを対象とした量的調査の分析を通じて、特に資質・志向性、および教授方法についてそれぞれの特質を明らかにした。<主体>としてのプログラムの目的、内容等の調整・統制の担い手に関しては、さらなる調査が必要となっている。また、<目的>に関して、教育成果としての進路・キャリア形成に焦点をあて、短大、専門学校の卒業生を対象とした標準的なweb調査システムの開発ができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度には、IRへの関心を有する機関と共同で本年度開発したweb調査システムを活用し「卒業生のキャリアと学校評価に関する調査プロジェクト」<G3:進路・キャリア形成班>として短大および専門学校において卒業生調査を実施し、本研究目的である教育目的と方法、教育成果との関連を解明する。また、過去3年間の科研課題の研究成果を逐次ワーキングペーパーとして刊行し、また国際会合を開催して総括を行うことが課題となっている。
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