研究分担者 |
重川 一郎 京都大学, 理学研究科, 教授 (00127234)
半田 賢司 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (10238214)
矢野 孝次 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80467646)
稲浜 譲 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (80431998)
河備 浩司 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80432904)
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研究概要 |
会田はラフパス解析の意味での開球上で1-微分形式に関して,ポアンカレ型の消滅定理を示した.この応用として,単連結コンパクトリー群のループ空間上の1次元L^2コホモロジーの消滅を証明した.稲浜はハーストパラメータが(1/3,1/4)にあるときの分数べきブラウン運動の汎関数積分に関するラプラス近似をラフパス解析を用いて解析した.河備はBerlin工科大学のPeter Friz氏を訪問し,ラフパス理論を用いたLaplace型汎関数積分の漸近挙動に関する稲浜氏との共同研究に基づいた講演を行い,それを元に振動型汎関数積分への応用に関する議論を行った.日野,原がその共同研究で,ラフパス理論の基本定理の証明に用いられる新古典不等式の,最良係数に関する予想を肯定的に解決したのは,特筆すべき結果である. 太田は,確率測度の空間の幾何学について研究し,その結果の1つとして,曲率が負定数以上のアレクサンドロフ空間上の確率測度のなす空間での第一変分公式を得た.応用として,凸関数の勾配流の収縮性などを得た.三上は最適輸送問題の応用として、最大従属確率変数の満たす関係式を求めた.さらに,Knothe-Rosenblatt rearrangementの確率過程版をある種の確率制御問題旨の最小解として定義し,その特徴付けを与えた.矢野は一次元対称安定レヴィ過程に対する処罰問題(極限定理の一種)をYor氏・矢野裕子氏と共同で研究し,局所時間の関数及びカッツ消滅の場合において,ブラウン運動の場合の既知の結果を見通しよく拡張することに成功した.重川は,非対称Dirichlet形式に対する解析を進め,半群の超縮小性などが非対称な場合にも同様に議論できることを示した. また,会田はP(φ)_2ハミルトニアンのスペクトルの最小固有値の準古典極限を決定した.
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