研究課題
テラヘルツ領域を含むサブミリ波帯の広視野高感度天文観測用のイメージングアレイを実現するため、サブミリ波超伝導256画素検出器の試作・開発を行っている。宇宙創成のまもないころの低温の天体形成の研究を進める上で、ミリ波からサブミリ波の広視野高感度観測は極めて重要である。このような検出器は光世界中で競って開発されており、半導体ボロメータやTESボロメータをもちいてミリ波200画素-等価雑音(noise equivalent power)NEP~10^<-16>W/Hz^<1/2>が達成されている。我々は、ALMA超伝導受信機の開発を通して得た低雑音化や高精度ビームパターン計測の手法を駆使し、極低温0.1KにてNEP~10^<-18>W/Hz^<1/2>を達成する超伝導1000素子の2次元アレイ検出器の開発を目指している。平成21年度は、超伝導素子の設計をおこなった。特に超伝導膜の表面抵抗などの回路パラメータを精密に計算・測定をおこなうための研究をおこなった。その過程で、成瀬雅人・野口卓・関本裕太郎"複素ギャップモデルを適用した超伝導薄膜の表面抵抗の計算手法"の特許を出願をしている。また、基板やレンズに使う材料についての低温での実験をおこない、我々の目的には高純度シリコン結晶が適していることを突き止めた。アンテナを含む検出素子(ピクセル)を最小に配置し、将来の電波天文学用多ピクセル電波カメラの基本設計も進めている。
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Journal of Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (In press)
Experimental Astronomy 24
ページ: 89-107
http://atc.mtk.nao.ac.jp/~sekimoto/