研究課題/領域番号 |
21244028
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
柴田 利明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80251601)
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研究分担者 |
中野 健一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20525779)
澤田 真也 大学共同利用機関高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (70311123)
宮地 義之 山形大学, 理学部, 准教授 (50334511)
後藤 雄二 独立行政法人理化学研究所, 延與放射線研究室, 先任研究員 (00360545)
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キーワード | 陽子構造 / 反クォーク / 原子核 / ドレル・ヤン / 対称性 |
研究概要 |
本研究ではアメリカ・フェルミ国立加速器研究所(FNAL)の120GeV陽子ビームを固定標的(液体水素及び液体重水素)に照射してドレル・ヤン反応を測定する。反応から生じるミューオン対を測定する為に、標的の下流25mに4層の検出器群を配置する。前年度には本研究予算を用いて、第3層に設置する大型荷電粒子飛跡検出器(ドリフトチェンバー)を日本にて製作した。本検出器はミューオン対の運動量ベクトルの決定に用いられ、実験の遂行に不可欠な装置である。これを本年度7月に日本からFNALへ輸送した。 FNALの加速器のビーム供給スケジュールに変更があり、本年度の8月頃に予定されていたビームタイム開始が延期された。ただしビームタイムの総長は維持されており、達成可能な測定精度に変更は無い。本年度後半はFNALにて宇宙線を用いて大型荷電粒子飛跡検出器の性能テストを行ない、ガス増幅率と検出効率を測定した。測定結果は、検出器の設計時に行なったシミュレーションと一致しており、設計通りの性能となっている事が確認された。これと並行して、アメリカの共同研究者が設計・製作した読出回路のテストを行ない、ノイズとクロストークを低減させる改良を行なった。この改善によりミューオン対の運動量ベクトルの決定精度が向上する。又、宇宙線の実データ及びシミュレーションを用いて、大型荷電粒子飛跡検出器での荷電粒子の飛跡(入射した位置と角度)を再構成するアルゴリズムを構築した。
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