研究課題/領域番号 |
21244029
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
旭 耕一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80114354)
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研究分担者 |
内田 誠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90397042)
吉見 彰洋 理化学研究所, 偏極RIビーム生成装置開発チーム, 研究員 (40333314)
上野 秀樹 理化学研究所, 偏極RIビーム生成装置開発チーム, 副チームリーダー (50281118)
古川 武 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, グローバルCOE研究員 (30435680)
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キーワード | 実験核物理 / 素粒子実験 / 超精密計測 / 電気双極子モーメント / CP非保存 / メーザー / 光ポンピング |
研究概要 |
電気双極子モーメント(EDM)はCP変換に対する不変性を破っており、標準理論では観測にかからないほど小さい一方、標準理論を超えて提唱されている有力な理論の多くは、現在の測定限界からもう一歩で届く領域にEDMを予言する。したがって測定感度を上げた新たな実験手法の導入によって、標準理論を超える物理の明確な証拠を提示できる可能性がある。本研究は、外部フィードバックによるスピン歳差維持機構である新型核スピンメーザーを用いたEDMの計測技法を実体化し、^<129>Xe原子の高感度探索を実現することを目指す。平成21年度はメーザーの心臓部である^<129>Xeスピン歳差セルをポンピング部とメーザー部に分離したセル(ダブルセル)を設計・試作し内壁面コーティングを実施して、オプティカルポンピングによる偏極達成度の試験とそのためのAFP-NMR観測テストベンチ構築を行い、細い連結部を介しての偏極にもかかわらずシングルセルに劣らぬ偏極度、23.5%が得られることがわかった。今後さらに改良するために連結部の内径への依存性、セル内面の洗浄・コーティング法の改良、ポンピング光の強化等を進める。また磁気シールドに関してはシールド自体の磁化が認められたので磁化除去の方法を検討し実施して残留磁場の改善に成功した。今後はメーザー周波数の高角度計測のための信号処理系および計算機インターフェースの整備とポンピング光のシールド内導入法の検討等が必要である。
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