研究課題
本研究課題の目標は「マクロコヒーラント増幅機構と二光子超放射過程の実験的研究」を行うことである。い ずれも新しい概念及び現象である。以下では二光子超放射は二光子対超放射と呼ぶ。より具体的な方針として(1)ガスやマトリックス標的からの通常超放射(一光子超放射)を確認すること、(2) ガスセルやマト リックス標的を使った二光子対超放射の予備実験を行うこと、(3)マガスセルやマトリックス標からの二光子対超放射過程の観測。これによりマクロコヒーラント増幅過程を実 験的に確立する、(4)ニュートリノ質量分光の基礎的なデータを提供する、等を具体的方針とした。以下は成果である。(1) ビスマス導入マトリックスの吸収分光を進め、新たに発光バンドを3本発見し同定する ことに成功した。(論文発表)バリウム原子を用いた超放射実験を行い、遅延時間や放射強度、放射角分布などを理論と詳細に比較し、理 論を確かめた。(論文発表)極端紫外自由電子レーザー光による励起He原子からの競合超放射実験を行った。この結果、旧来の理論では説明不可能な事が判明し、新たな理論構築を 目指している。(2) (3) パラ水素分子を標的とした二光子対超放射実験を行い、新しい二光子コヒーラント過程の観測に成功した。こ の過程は自然放射二光子過程に比較し、19桁以上高頻度で起こることが確認されている。また二光子対超放射が予言する頻度にも一致する。新たなコ ヒーラント現象を確立したと言うことが可能で、マクロコヒーランス増幅機構の実験的検証と言って良い。(4) ゼノン(Xe)は光子随伴ニュー トリノを観測する上で標的に適した原子である。Xeを用いた高品質標的生成の基礎実験を行い、超放射とは異なる量子干渉現象が観測した。以上当初の目標を概 ね達成することが出来た。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 3件)
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