本研究は、研究代表者らがこれまで推進してきた厳密なカイラル対称性をもつ格子理論による量子色力学(QCD)シミュレーションをさらに発展させ、低エネルギーQCDの"精密計算"の実現を目指すものである。低エネルギーQCDの諸問題からフレーバー物理に関連する物理量まで、1%レベルの精密な結果を与え、U(1)問題などの歴史的問題の解決と精密実験を通じた新物理探索につなげることを主要な課題とした。次々世代のQCD計算のさらなる精密化のために必要な専用計算機開発に向けたR&Dを並行して進めることも課題の一部であった。 研究開始当初の1ヶ月で、国内および国外(台湾)の共同研究者と、課題と具体的な計画の整理を進めた。その後、研究代表者が別途申請中だった若手研究(S)が採択になったため、この研究課題は発展的に解消することとなり、廃止することとした。
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