研究課題/領域番号 |
21244045
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
塚田 捷 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 特任教授 (90011650)
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研究分担者 |
赤木 和人 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 准教授 (50313119)
濱田 幾太郎 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (80419465)
田村 宏之 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (60390655)
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研究期間 (年度) |
2009-05-11 – 2013-03-31
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キーワード | 固液界面 / 水溶液 / 電気化学 / 電気二重層 / 電解質イオン / 特異吸着 / ポーラロン / フォノンカップリング |
研究概要 |
「電解質水溶液の固液界面近傍の微視的描像の解明」 前年度までの条件出しを踏まえてNaCl 水溶液とAu(111)清浄表面およびAl(111)理想表面との界面についての100ps超の第一原理分子動力学計算を行った。両者の構造とダイナミクスを詳細に比較したところ、表面と水分子との相互作用の強さの差が電気二重層構造に大きな差異を与えており、アニオンの「特異吸着」の有無が水分子の電極表面への吸着とイオンの脱水和との競合に依存する様子、界面近傍ではバルク溶液中と比べてイオン対が解消し易いこと、電極と溶液との電子状態のカップリングは2層目程度までに留まることなど、自明ではない多くの微視的描像を得ることができた。 「Pt(111) 陰極上での水素発生の素過程の解明」 前年度に引き続き、ESM法を実装した第一原理分子動力学計算によってTafel過程およびHeyrovsky過程として知られる2つの素過程の詳細を調べた。活性障壁が 1eV と過大評価される点について考察を進めたところ電極表面の水素の実際の吸着量が想定よりも大きい可能性が出てきたため、吸着水素の化学ポテンシャルの定量的な評価を目指して Pt(111)/希硫酸系の大規模第一原理計算を実施した。水素吸着量の増大に伴って溶液中の水素イオンの分布が界面の側に寄り、電気化学ポテンシャルだけでなく界面の疎水性も水素吸着量を大きくする効果があることが分かった。併せて、水分子のファンデルワールス相互作用を記述する密度汎関数の開発も行った。 「界面近傍での光励起ポーラロンの振る舞いの解明」 有機分子のドナー・アクセプター系を対象に、固固界面近傍における光励起ポーラロンの伝達や電荷分離についてフォノンとの相互作用を考慮して研究を進めた。時間が足りなかったが、得られた知見は溶液系のダイナミクスを取り込むことで固液界面に適用可能な段階に到達した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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