研究分担者 |
高田 恭孝 独立行政法人理化学研究所, 石川X線干渉光学研究室, 専任研究員 (90261122)
CHAINANI Ashish 独立行政法人理化学研究所, 石川X線干渉光学研究室, 専任研究員 (80425636)
大浦 正樹 独立行政法人理化学研究所, 石川X線干渉光学研究室, 専任研究員 (50250113)
鳴海 康雄 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50360615)
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研究概要 |
本年度,軟X線回折装置に新たに偏光解析装置を導入した.また磁場中X線回折を実行するために5テスラ級の縦磁場超伝導磁石の設計を行った.この装置は年度内に納入される予定である. 1.磁場中X線回折を軟X線で行うために,まず硬X線領域においてパルス磁場によるX線回折を試みた.試料は,擬一次元反強磁性体BaCo_2V_2O_8である.実験の最大磁場は約40テスラである.この結果,交換相互作用を通して磁場によって格子が変形する様子が明瞭に観察された. 2.テルルの構造カイラリティを決定する実験を行った.以前行った水晶の実験では,右ねじ構造,左ねじ構造を区別ができたが絶対構造を決定することができなかった.この実験では,テルルのL_1吸収端を利用することによってE1E1だけの単純な散乱遷移だけを取り出すことができた.このため非常に単純な理論形式で実験結果を書き表すことができる事が判明し,カイラリティ構造を絶対的に決定するための理論公式の確立に成功した. 3.CuFeO_2は三角格子を有する反強磁性体である.この物質は,Fe^<3+>であるにも関わらず温度11K以下で4サブラティス構造を有する物質である.さらに磁場中で強誘電性を示すことが示された.この物質の強誘電性の起源を探るため,硬X線,軟X線両方を用いてFeのK吸収端,L吸収端において共鳴X線回折実験を行った.これらの吸収端の違いによって,Feの4p状態,3d状態の秩序を明瞭に分けて測定することができた.軟X線の実験では,偏光解析装置を用いることによってX線回折の起源を解明した.
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